事故原因を調べるときの基本的な観点として5つのMがある。
(1)Man(人) 仕事をする現場にいる人にかかわること。人為ミスというときには、多くは、この人の振舞いが問題となる。
(2)Machine(機械) 仕事をするのに使う機械にかかわること。機械の不具合は失敗につながる。
(3)Media(情報伝達) チームとして仕事をするときの情報伝達にかかわること。仕事に関する知識の伝達やその仕方は、失敗に直接・間接にかかわっている。
(4)Management(組織運営) 仕事をさせている組織にかかわること。リーダーシップや職場の雰囲気や失敗文化は、失敗の背景要因として大事である。
(5)Mission(使命) 仕事の目標にかかわること。異常に高すぎたり、十分に明示的でなかったりすると、失敗につながる。
これらが一つの事故の背景となる環境をなし、失敗に至る状況が形成されている。
前述したように、同じ環境であっても、必ずしも失敗にはならない。なんらかの悪魔の要因が一つ活動しだして網の目にように関係しあっている失敗に至るネットワークを活性化してしまったのである。