
7日目。道の駅厚岸グルメパークの朝。6時におきた。寒くはないがそれでも気温は15℃くらいだろうか。昨夜はハイエースが3台ならんで車中泊をした。上の画像の手前から2台目が私の車で、3台目が黒ハイエースである。道の駅に泊まっている自動車はほぼ首都圏ナンバーだった。

道の駅からの風景がよい。

厚岸湾を見下ろす。

道の駅の建物。

ここはレストランが21時まで営業しているから、車中泊の旅人にとっては絶好の施設である。カキをたべて一杯やり、そのまま泊まれるのだから。

コーヒーをゆっくりと飲んでからカップめんの朝食をとる。車内の整理をしたりメモをつけたりして8時前に出発した。目的地は釧路市丹頂鶴自然公園だ。
釧路は市街地をぬけるのに、市内をグルグルまわらされて、時間がかかった記憶がある。またそうなるのかとかまえていたのだが、釧路外環状道路という自動車専用道路ができていて、市街地の北をストレスなくゆくことができた。気温は16℃と表示されていた。

9時すぎに釧路市丹頂鶴自然公園についた。9時から開園だが客は私たちだけだ。公園に入ろうとしていると、地元ナンバーの老人がやってきて先に園内に入っていった。

ひとり470円の料金を払って入園した。公園は奥にむかって細長い作りになっている。区画された柵の中でつがいの丹頂鶴が何組も飼育されていた。

昨日野性の鶴にあったばかりだが、それでも丹頂鶴を見るとうれしくなる。

ここには二十羽ほどの鶴が飼育されている。9時45分からエサの時間で、あたえるのはホッケとコーンだと飼育員の方がおしえてくれた。

幼鳥が二羽いた。それを見ていると、子供の鶴はトビやカラス、ミンクにおそわれてしまうことが多いと、地元ナンバーの老人がおしえてくれる。昨年は3個の玉子が生まれたがすべてたべられてしまったそうだ。老人は毎日ここに来ているようだ。

観光客は鶴をざっと見るとすぐに出ていってしまう。みなさんあまり時間をかけないのだ。我々は熟年の余裕のある旅をしているから長居をする。ここは家内の希望できたから、家内は夢中で鶴をみていたが、いつの間にか老人と話し込んでいる。私もそこに加わった。

親は羽が切ってあるから飛べないが(鳥インフルエンザ予防のため)、子供は切らないから、いつか巣立ってゆくとのこと。もどってくる子供もいるが、そうすると縄張り意識の強い親鳥に追い払われて、二度と来なくなるそうだ。老人は施設ガイドができるほどの知識があると思うが、ボランティアをしているわけではなく、ただ好きで来ていて、時間のある観光客に鶴のことを教えてくれているようだった。

子供の鶴は湿原や原野にゆき、そこで野生の仲間といっしょになるとのこと。ただ丹頂鶴は増えすぎてこまるほどになっているそうだ。住むところがないほど過密になっているとのこと。

老人はスマホに保存してある雛が生まれたばかりのときの画像や、親の背中に乗っているシーン、雪の中での動画などを見せてくれた。

そして拾った鶴の羽とハマナスの実を手渡してくれる。ハマナスの実は昔は食べたものだが、最近はそうしなくなったとのこと。でもこれが北海道のシンボルなのでと。老人と別れた後で家内がハマナスを味わってみると、種が大きくて味がしないとのことだった。