福島・新潟県境から奥只見湖畔の銀山平にむかうのは、国道352号線だが舗装林道のような道だ。沢が道路を横切っているところが何ヶ所もあった。
道路は山の中腹に無理やりつけられている。山肌にある白い横線が道のあるところだ。谷底を避けて高いところをすすむようになっていたが、一定の高さの場所をゆくのが効率的なのだろう。
道路の上の法面は崩落防止のためにコンクリートでかためられている。狭いルートだが2輪通行止めだった理由がわからない。事故が多かったからなのだろうか。
道はカーブが延々とつづく山岳路だ。速度は上げられないから距離はかせげない。たまに対向車が来るが蛇とカエルが1匹ずつが路上にいた。
遠くに奥只見湖がみえてきた。
沢が道路を流れているところでは、藻が生えているところがあり、バイクを傾けて通過するとすべることがあり、ヒヤリとした。
細くて狭いクネクネ道を何10キロも走り、15時に銀山平の船着場に到着した。
ここが奥只見湖のバック・ウォーター、北ノ又川のそそぐ地点だ。はじめて来たがここは釣人の憧れの地だ。大型のイワナやサクラマスが釣れるからだが、容易には行けない秘境だからでもある。
以前釣りに熱中していたころはここに来たかったものなのだ。その感慨にひたりたいが雨が落ちてきた。ガスも出てきたのでここを離れることにした。
次は北にある田子倉湖にゆきたいが北上する道はない。西にすすんで峠越えし、新潟県の小出まで下って別ルートで福島方向にもどらなければならない。峠道ををトンネルでパスするシルバーラインがあるが、ここは現在も2輪通行止めである。何故なのか理由がわからない。役人の硬い頭では、バイクはトンネルでは危険と刷り込まれてしまっていて、道理がわからなくなっているのだろう(読者の方にご指摘をいただいた。シルバーラインは路面にたえず水が湧き出しているため、2輪通行止めなのだそうだ)。
狭い山道をのぼり枝折峠についた。雨は落ちていないがガスが濃い。雲の中なのかもしれないとも思う。晴れていれば絶景だそうだが風景は何もみえなかった。
峠からの下りも霧で視界が悪く、道は細い舗装林道である。カーブの連続する難路をライトをつけて慎重に走ってゆく。山をおりてゆくと晴れてきた。湯之谷温泉まで下ると道路の斜度はおちついて、道幅も広くなる。小出駅のちかくまでいって国道17号線に入って北上し、すぐに国道252号線に折れて福島方向にむかった。
Aコープ広瀬店があったので夕食の食材を買うために立ち寄った。肉や魚に欲しいものがないが、何か買っておかないとこの先で店がないかもしれないので、豚ロース肉ともやし、水2リットルを手に入れておく。時刻は16時すぎだった。
ここから只見町まで50キロほどだ。キャンプ地は福島県柳津町の森林公園を候補としていた。しかしそこまではまだ距離がある。すぐ先にある守門温泉にも野営場はあるが、以前利用したときの印象が悪いから使いたくない。最終的に柳津までゆくとしても、どこかで宿泊地に出会うこともあるかもしれないと考えていた。
小出から田子倉湖にぬけるルートはよく整備されていた。奥只見湖の狭い道路とはまったくちがっていて、ずっと二車線だしスノー・シェッドもたくさんかけられている。六十里越という古い生活道路のためのようだが、雪割街道という詩的な名前もついていた。
六十里越トンネルをでて新潟から福島県に入ったところで休憩する。気温はさがり寒いほどだ。奥只見湖にも同じ看板があったが、ライト・トラップによる昆虫採集は禁止です、とある。ここで照明をつけて虫取りをしたらたくさんとれてしまうのだろう。地図を見て野営場所を検討すると只見町に青少年旅行村のキャンプ場がある。泊まれるのかわからないが、ここをのぞいてゆくことにした。
楽しんでいただければ私もうれしいです。
奥只見のレポートはもうしばらく続きます。
よろしかったら、つづきもお読み下さい。
新潟で走ってるクレズと申します。
奥只見の樹海ラインと六十里越は毎年走るコースになってます。
奥只見の樹海ラインは7月初めだと道路わきにも雪が有る所があるんですよ~
あと、トンネルの奥只見シルバーラインは年中湧き水が染み出てて路面が年中濡れてる為に2輪車走行禁止みたいですよ。自分、車で走った時バイクとすれ違ったこと多々あります(笑)
紅葉も綺麗な所ですのでまた走りに来てください!!
シルバーラインは水が路面に湧き出しているので、二輪車通行禁止なのですね。私の思い違いでした。ご指摘ありがとうございます。
樹海ライン、いいところですね。また機会を見つけて行きたいと思います。秋は見事でしょうね。