事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「シャーロック アントールド・ストーリーズ」(2019 フジ)

2022-02-10 | テレビ番組

ディーン・フジオカをホームズにした推理ドラマ。面白そうだけれども、月9だからなあ、と見逃していたら、脚本が井上由美子さんだと知ってがぜん見る気になり、ディスカス。彼女が書いた「照柿」(原作高村薫)は傑作だった。

非常に癖の強い性格の(これは原作もそうですよね。バイオリンはフジオカの方がうまそう)犯罪捜査コンサルタントが、警視庁捜査一課に“興味がわいたときだけ”協力するというストーリー。ホームズのディーン・フジオカと、刑事役(レストレイドがモデル)の佐々木蔵之介が並ぶとなかなかいい感じだ。

ワトソン役の精神科医は岩田剛典。うーん、EXILE系の人はおれちょっと……あ、「新解釈・三國志」で趙雲をやったお兄ちゃんじゃないか。いいぞいいぞ。

しかしわたしが誰よりも夢中になったのは、みんなから「グレ」と呼ばれる女性刑事、小暮クミコ役の山田真歩だ。

うーん、このおねえちゃんは何かで観たぞ……そうかあの「サイタマノラッパー」の子じゃないか。「菊とギロチン」にも出ていたのだった。この、先輩刑事をみじんも尊敬していない感じ、いいなあ。彼女の作品をもっと見ることにしようと決心。

さて、原作はコナン・ドイルということになっているけれど、ほとんど井上さんのオリジナル。でも、人名がドイルの原作風になっているのがうれしい。マイクロフトもモリアーティもちゃんと(ひねってはあるけれど)出てくるし、学生寮の名前が「ライヘンバッハ」だったりするお遊びも。

さして高い視聴率はとれなかったようだけれど、続篇がいかにも作られるような仕掛けがいろいろと(モリアーティのラストのセリフとか)仕込んであるのでシーズン2は……え、今年劇場版が公開?ぜひともうかがわなければ。そう、山田真歩を見に(笑)。

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今月の名言2022年1月号PART5 薄毛の達人

2022-02-02 | テレビ番組

【必見】50種類以上のバイト経験を持つEXITがおすすめ&きついバイトを教える!

PART3「剣豪ふたり」はこちら

「この人たちは特殊な訓練を受けています」

ホンマでっかTVにおけるブラックマヨネーズの小杉の発言。薄毛の話をするとき、素人は気をつけろと。

芸人はいくらでもギャグにできるけど、というわけ。

あの番組を久しぶりに観たら、かつてマツコ・デラックスが受け持っていた“この人が笑ってるから本当に面白いんだな”と視聴者に理解させる役割を、今はEXITが、特にりんたろー。が担っているんだなあと知る。

うちの奥さんはすでにファンでした。

2022年2月号「懐かしのソ連」につづく

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オモウマい店

2022-01-18 | テレビ番組

食卓の上に妻のメモが置いてある。

「1/18 オモウマい店 小松鮪店」

なんだこりゃ。もちろんテレビ番組のタイトルであることは理解できる。ローカル局である中京テレビの制作で、まさかのゴールデンタイムでオンエア。しかも高視聴率であるぐらいの知識はある。たーくさんのスタッフを全国に派遣し、本気で面白い店だけオンエアするということも新聞記事で知っていた。

で、今日は酒田の、あの小松鮪(まぐろ)店が登場するとか。妻はそれをメモっていたわけ。

職場で昨日、

「明日、オモウマい店で……」

とつぶやくと

「そうよね!でるのよね小松鮪店」

「そうそう!」

みんな知っているのである。どれだけアナウンスされてたんだ。そんな騒ぎをわたしは全然知りませんでした。去年、じゃなかった一昨年うまい店ピンポイントで紹介しているにもかかわらず(笑)。

で、オンエアを拝見。いきなり小松鮪店でした。ゲストは藤井フミヤ。番組にその店の名物が提供されることは一切ないらしい。

ドライアイスを使ったスモークあふれる“定食”からスタート。「夜のヒットスタジオみたい」というコメントが笑える。しかも安い。安いにもほどというものが。

ひょっとしたら番組のために“盛った”のかなと思ったが、これからこの店にはこれまで以上の客が殺到するのである。それはないよな。しかしあんな派手なメニューがあったなんて。まあ、わたしが行ったのは早朝だけどね。

店主は同い年。客に幸せになってほしいと。ヒューマングルメンタリーのサブタイトルは伊達じゃない。次の郡山の店も含めて、堪能しました(郡山の料理長の表情は最高)。

司会はヒロミとバイきんぐの小峠。適度なヤンキーくささは「電波少年」を思い起こさせる。面白いっす。スタッフを呼び捨てにするヒロミがなんともいい。

にしてももう一人のゲストの小倉優子よ、「山形って海ないですよね」はないでしょ。あ、仕方ないかあ。こりん星の人だったんだから。

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「半沢直樹」(2020 TBS)

2022-01-08 | テレビ番組

2013年版の、最高視聴率42.2%という狂騒から7年。ついにセカンドシーズン。わたしはあのドラマが嫌いではないけれど、見返すというのはしんどくないですか。こってりした演技と演出。男の嫉妬と陰謀がうずまく銀行という業界への志望者を半沢直樹は激減させたのではないでしょうか。

で、2020年版はどうだったか。

おんもしろかったああああ。

7年前の土下座がらみで東京中央銀行の子会社であるセントラル証券に出向を命ぜられた半沢は、しかし腐ることなく彼らしいやり方で仕事をこなしていた。自分たちは負け組だと感じていた部下たちは、そんな半沢を慕っている。しかし、常に銀行の意向を忖度する人間も存在していた……この、企業買収案件が第一部。

その功績で銀行に復帰した半沢が命ぜられたのは帝国航空(どう考えても日本航空)の再建。そこへ与党の政治家もからんで……が第二部。

どちらも面白かったです。で、2013年版と何が違っているかというと、敵の敵は味方、的な感じで天敵の大和田(香川照之)といやいやながら手を組んだり、悪役たちがお互いの足元をすくったりするような展開が、単なる勧善懲悪よりもずっと現実的。そのあたりの仕掛けがきちんとしているので、あとは役者たちの時代劇演技を楽しんでいればいい。

どんなに眉間にしわを寄せようとも、一種の透明感がある堺雅人を中心に、香川、市川猿之助、片岡愛之助、尾上松也の歌舞伎組が六方を踏めば(踏まないけど)、柄本明、古田新太、段田安則らの小劇場組は徹底的に悪相をつらぬく。

特にすばらしかったのが女優陣。幹事長の後ろ盾があって当選二期で大臣となった江口のりこ。実は不安でいつも目が泳いでいるあたりの演技はさーすが東京乾電池。あ、柄本明にさからえないのって実生活といっしょじゃん(笑)。

そして銀行員としての意地を見せる西田尚美もよかった。あー、シーズン3はつくられないのかな。っていうか7年も間があいたのって何で?

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「東京バンドワゴン~下町大家族物語」(2013 日本テレビ)

2021-12-31 | テレビ番組

「隠れの子」を特集したときにふれたように、わたしは小路幸也の東京バンドワゴンシリーズからしばらく遠ざかっていた。登場人物たちの“いい人っぷり”があまりに強烈で、息苦しく感じられるくらいだったから。

特に語り手である幽霊になったお祖母ちゃんは(幽霊だからではなくて)怖くなるほど優しいの。いい人コンテストがあったら全国優勝まちがいなしだ。

そんな東京バンドワゴンは日テレでドラマ化されている。脚本はまたしても大森美香さん。というか大森脚本だから見ることにしたんですけどね。

舞台は下町の古本屋、東京バンドワゴン。主役の青(あお)に亀梨和也、その相手役に多部未華子。おいおい、お気に入りのこの二人が出ているのに、どうしてオンエア時に見ていなかったのだろう。

で、例のお祖母ちゃんは加賀まりこ。「梅切らぬバカ」でそのうまさを再認識したばかりだったのでうれしい。

伝説のロッカーである青の父親のモデルは矢沢永吉内田裕也だろうが、このドラマでは玉置浩二が演じている。

これがよかった。

常に「LOVEだねえ」でことを済ませる彼を、日本でいちばん歌がうまい(誰も否定できないでしょう?)玉置が演じることで、LOVEのこめられた歌がこのドラマの基調音として常に鳴り響くことになった。エンディングテーマ「サーチライト」は名曲(第一回目には安全地帯の面々が特別出演しています)。

原作のミステリ風味は(意図的にか)後退し、サブタイトルどおりに「時間ですよ」や「寺内貫太郎一家」的な人情ものとして大森さんは遠慮なしに泣かせてくれる。わたしは堪能したが、視聴率が伸びなかったのはなぜなんだろう。

出演は他に美村里江(当時はミムラ)、平愛梨(長友の奥さん)、そして実はいちばんの名探偵である長男の紺(こん)役で金子ノブアキ。いい味出してます。え、この人って金子マリとジョニー吉長の息子だったのっ!

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「この声をきみに」(2017 NHK)

2021-12-16 | テレビ番組

青天を衝け」の大森美香脚本作品。主演は竹野内豊麻生久美子。朗読をめぐるお話。

学生に人気のない数学者の穂波(竹野内豊)は、妻(ミムラ……いまは美村里江)に離婚を迫られるなど、きつい日々を送っている。語る相手を意識していないと学部長に話し方教室を紹介されるが、社会性のない穂波は講師の京子(麻生久美子)と険悪になる。

そんな穂波が訪れたのは、ラジオの人気アナウンサーだった佐久良(柴田恭兵)が主宰する朗読教室「灯火親(とうかしたしむ)」だった。しかしそこで講師をしていたのは京子だった……

毎回、朗読する作品のチョイスがにくい。

「生きる」谷川俊太郎

「ふたりはともだち」アーノルド・ローベル

「氷菓」室生犀星

「回転ドアは、順番に」穂村弘、東直子

「おじさんのかさ」佐野洋子

「HERO」桜井和寿

「くじらぐも」中川李江子

喪失感をかかえた竹野内豊と麻生久美子が、朗読を通じて生きるモチベーションを取り戻していく。大森脚本はかなり周到で、毎回盛大に泣かせてくれます。

エンディングに流れるのはJUJUの「いいわけ」。「逃げるは恥だが役に立つ」と似た趣向で出演者たちが踊ってくれてうれしい。で、うまいのがやはり柴田恭兵。さーすが東京キッドブラザース出身。出演は他に杉本哲太、片桐はいり、近ごろ好きになってきた堀内敬子。

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「義母と娘のブルース」(2018 TBS)

2021-11-22 | テレビ番組

評判は聞いていたの。すごく面白いって。これまで「JIN-仁-」「天皇の料理番」そして「ごちそうさん」などを特集してきた森下佳子さんがまたしても放ったヒット作。DVDで一気に鑑賞。

3年前に妻を亡くし、シングルファーザーとして小学生の娘を育ててきた宮本良一(竹野内豊)。父子家庭ではあるけれどもそれなりに安定していた宮本家にひとりの女性、亜希子があらわれる。待ってました、綾瀬はるかである。

彼女は娘に向かって

「はじめまして。わたくしこういうものです」

と身体を前傾させて名刺を差し出す。完璧なビジネスマナー。彼女は義母として宮本家に“入社”する。

今回の森下脚本の周到なところは、オトナの恋愛の要素を極小化したこと。完璧な美女の綾瀬はるかと完璧な美男の竹野内豊だからこそ成立する話ではある。しかもこの美男美女に佐藤健がからんでくる豪華なつくり。

そして、なぜキャリアウーマンである亜希子が五十がらみの子持ちの男と結婚したか、という謎でひっぱる。これ、本気で納得できました。批判も多かったろうけれど。

例によって毎回毎回泣かせる。毎回毎回泣いてしまうわたしが簡単な客なだけかもしれないけれど、手練れの作品だと思う。

そして特筆すべきは、ビジネススーツに身を包み、ハイヒールで速足で歩く綾瀬はるかが、んもうめちゃめちゃにセクシーなのだ。もちろん内容からして女性視聴者が多かったろうとは思うけれども、毎週ドキドキしながら見ていた男性もまた多かったはずだ。そうでしょう?ご同輩

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「天皇の料理番」(2015 TBS)

2021-11-11 | テレビ番組

佐藤健主演バージョン。わたしの世代には1980年の堺正章版が有名で、ドラマの評価も高かったけれど(なにしろ明石家さんまの出世作なのだ)、わたしは一度もみていない。それはどうしてかというと……

・学生時代なのでフルに観ることは可能だったけれど、まだ山形県にはTBSがネットしていない時代だったので、帰省したらアウトだし。

・真裏の大河ドラマが「獅子の時代」で、相手が悪かった。

・サヨク少年だったので、天皇がらみのネタを敬遠した。

という感じだろうか。にしてもTBSもあざといことをしたものだと思う。

日曜8時といえば、日本テレビでその1年前まで堺正章が主演の「西遊記」がオンエアされていたのであり、同じ時間帯の日テレの名物は、メインライターの鎌田敏夫さんによる「俺たち」シリーズの枠だったのである。その両方を起用して勝負をかけたわけ。

さてそれでは2015年の佐藤健バージョンはどうだったか。

JIN-仁-」で大成功をおさめ、朝ドラの「ごちそうさん」で冴えを見せた森下佳子さんを脚本に起用し、小林薫、黒木華、桐谷健太、杉本哲太、美保純、わたしの大好きな麻生祐未などのいい感じのキャスティングを用意した。

しかし主演に佐藤健をもってきたのは冒険だったろう。「るろうに剣心」や「龍馬伝」における岡田以蔵役の好演があったとしても。

しかしこのギャンブルは大成功に終わる。佐藤健の入魂の演技にはほとほとまいった。調理シーンもすべて吹替なしで演ずるなど、努力の結果であることは確かだが、実はとんでもない放蕩者だった主演にぴったり。

婿入り先をしくじり、自分を拾ってくれた師匠の奥さんとあんなことになっちゃうし(まあ、相手が高岡早紀なので仕方がない)……。

その対極にあるのが兄役の鈴木亮平。この役のためにどれだけ身体をしぼったのだろう。にしても「JIN」につづいて、またしても森下作品には毎回泣かされたのでした。簡単な客?

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「スーパーサラリーマン左江内氏」(2017 日本テレビ)

2021-11-10 | テレビ番組

藤子・F・不二雄の原作を福田雄一がドラマ化。漫画アクションに連載された「中年サラリーマン左江内氏」は1977年から78年の作品なので、いったいどうして40年もたってから……ま、今ごろ「今日から俺は!」をやる人だからなあ。

会社では万年係長、家庭では妻の尻に敷かれる文字通り左江内(さえない)氏は、ある老人(笹野高史)に依頼され、スーパーマンに“されてしまう”。なにごとにも責任をとりたくない彼は、しかしいやいや数々の事件を解決していく……

主演は堤真一。ものすごい運動神経の持ち主である彼が、猫背になってひょこひょこと歩き、さえないサラリーマンを演じるのは洒落が効いている。

福田組の面々が今回も大挙して出演しており、佐藤二朗、ムロツヨシ、賀来賢人がいつもどおりギャグをとばしまくっている。宅麻伸が“島課長”として特別出演しているのも笑える。

ただ、福田雄一の演出がフィットしない役者もいて、あの高橋克実が“さえない”のには驚いた。逆に、警官役の中村倫也が弾けていて、最終話にゲスト出演した菅田将暉とともにすばらしかった。

さて、このドラマのキモは家族愛なのだが、いやはやそれにしてもものすごい悪妻なのである。家事はまったくせず、一日の睡眠時間は15時間。亭主をこき使い、給料のほとんどを自分のために使う。

しかしこの鬼嫁役が小泉今日子なので、困ったことに激しく魅力的なの。こんな妻ならわたしも尻に敷かれたい。左江内氏が困惑しながらも妻に奉仕し続けるのも理解できる。っていうか尻に敷いてください<(_ _)>。

ゲストがけっこう豪華で(というか時を経て豪華に見えるのだが)、浜辺美波、本田翼、永野芽郁が出ているのもお得な感じ。

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「南極大陸」(2011 TBS)

2021-10-11 | テレビ番組

しまった。と思いました。いくら大好きな木村拓哉主演作とはいえ、これってタロジロの話じゃないですか。つまりは犬の話。そして犬が苦労したり死んだりするお話。

ダメなんですよわたし。およそ耐えられない。だからあの「南極物語」すら見ていないというのに。そしてわたしは、あの自由な獣である猫にも今ある理由で泣きたくなっている

でもオトナだから我慢して見続ける。南極観測が、敗戦国日本の誇りをとりもどす象徴になっている。演じているのはキムタクの他に半沢直樹そのまんまの堺雅人、昔は日曜劇場の真裏であぶない刑事だった柴田恭兵、「JIN」のオンエアが終わったばかりの綾瀬はるか、不思議な雰囲気を持つ大学教授に香川照之と豪華なことだ。

そして苦労したであろうロケ画像、いったいどうやったんだ犬の演技……TBS開局60周年記念番組として気合い入りまくり。VFXは曽利文彦だし、演出はエースの福澤克雄、ナレーターは奈良岡朋子でテーマソングは中島みゆき!金かかってんどー。

でもね、でもね、結果的には犬殺しのお話じゃないですか。ちょっとつらい気持ちで見終えたのでした。犬はかんべんしてくれー。(猫もね)

 

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