「幾代餅」十代目 金原亭 馬生【落語】
第9回はこちら。
日曜は朝6時から自治会の雪囲い取り外し。中途半端な時間に目覚めてしまい、こりゃ二度寝したら寝過ごしてしまうと強引に本を読む。ラッキーなことに、むやみに面白いミステリだったので無事に起きることができました。
そして10時からは法事。お昼から酒を飲むことになってしまい、眠くて仕方がない。しかし午後3時からはまたまた自治会の仕事で田んぼの撮影……眠いってば。
しかし午後5時57分に目が覚めて、無事「べらぼう」にたどり着き、続けて「御上先生」もリアルタイムで。がんばったオレ。見終わってすぐに撃沈、当たり前だ。
さて、今回は「身請け」のお話。蔦重(横浜流星)の思い人である瀬川(小芝風花)が、大富豪の鳥山検校(市原隼人)に落籍される。彼女の最後の花魁道中に合わせて、蔦重は錦絵の豪華本を制作する。出版人として
「役者が役者をやってねえ姿はどうでしょう」
とさすがのアイデア。瀬川は、大門(だいもんじゃないよ、おおもんだよ)で振り返り
「おさらばえ」
吉原と、そして蔦重に別れを告げる。うまい。
金持ちに身請けしてもらうのが娼妓のハッピーエンド。しかしもちろんもう一つ、年季が明けるというゴールもある。
そのもっとも幸福な例が落語の「幾代餅(いくよもち)」だろうか。こんな噺だ。
搗き米屋(つきごめや)の奉公人の清蔵は、吉原の幾代太夫の錦絵にひとめぼれ。仕事に身が入らない清蔵に主人は
「一年間みっちり働け。そしたら太夫に会わせてやる」
と約束。さあ一念発起した清蔵は、無事に(というかいろいろあったけど)幾代太夫と一夜を。そして
「あちきは来年の三月で年季が明けなんす。そしたら主(ぬし)の女房にしておくんなんし」
と告げられる。誰もそんな話は信用しなかったが、翌年三月、店の前に一丁の駕籠。なかからは文金高島田の幾代が……
やっぱり錦絵というのは、影響力が大きかったんですねえ。