第二話はこちら。
この小説の登場人物たちの判定はもっとすさまじい。
「うーむ」
おれは苦笑いした。2点以上が「きわめて問題多い」というテストで「12.5」点もとってしまったのだ。 井口氏は横でパチパチそろばんをはじいて計算していた。答えが出たようだ。 「うーん」 「どうでした」 「小島くん、ずるいじゃないか。人に尋ねるのなら自分のから先に言いたまえ」 「井口さん。おれ、実はね……、12.5点もあったんですよ」 「ほう、立派なもんだな」 「井口さんは」 「私は14点だ」 「14点?」 「ま、“年の功”ってやつだな。はっははは」
……すさまじい。この主人公の小島さんが中嶋らもそのまんま。物語も現実も、禁酒に成功しているのはめでたい限り(ラストで題名が生きてくる)。私も考えなきゃな。と言いつつ、すっかり安くなったジョニ黒を口に含む。やっぱりいい人にならなければ。妻子のためにも。……この言い訳が8.3点っぽいでしょ。
※中島はとにかく引き出しが多くて楽しめるが、とにかく笑いたかったら「こらっ!」(徳間文庫、だったかなあ)が絶対のお薦めだ。本を読んで「腹を抱えて笑う」なんて漫画みたいなマネ、初めてしたおぼえがある。
※医者の息子⇒灘高⇒とんでもない三流大学⇒薬・酒・風邪薬⇒同時にコピーライター⇒文筆業⇒同時に劇団主宰、これら怒涛の人生は「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」や近作「バンド・オブ・ザ・ナイト」に詳しい。
※正月に子どもに付き合って教育テレビの「浪花少年探偵団」を見ていたら、お好み焼き屋のおっちゃんの役で中島が出ていた。あまりの憔悴ぶりに妻は「中島らも、病気?」とうろたえたが、この人、昔からこうだった気もする……。
……およそ中島らものような人間が“死ぬはずがない”と思っていたころのネタ。合掌。
なんと奥さんの側から出た驚きのネタはこちら。ふう。