他のフランチャイズもそうなのかは経験がないのでわからないが(きっとそうだとは思う)、マクドナルドの戦略の特徴は、徹底したマニュアル化である。んもうどんな細かいことも「マニュアル参照」なのだ。
例のビデオで高らかに謳いあげていたキャッチフレーズは「世界中どこでも、同じ味のハンバーガーを提供する」というマクドナルド帝国主義。これを守るためにはマニュアル第一の方針も無理からぬところだろうが、アメリカにどんなことでも追随することで生きてきた日本は当然のこととして、荒廃したモスクワで、ある程度の味を保証するマックに長い行列が出来た、ここまではまだ笑い話ですんだ。しかしインドでも店舗展開をするレベルになるとちょっと洒落にならない。ヒンズー教徒が牛肉食うわけないだろが。
いつもどこかしら垢抜けないCM(ドナルドがかわいいと思う子どもっているんだろうか)も、おそらく計算ずみだろうし、ヘルプ、と呼ばれる他店への派遣という、ほとんどホステスかと思うようなシステムも合理主義の極みだ。
ハンバーガーをオーダーすれば「ポテトなどもいかがですか?」とお姉ちゃんに勧められ、ハンバーガーとポテトをオーダーすれば「コーラなどもいかがですか?」と余計なことを言われた経験は殆どの人が持っているだろう。そのおせっかいの究極の形が例のバリューセットだ。大方の人は気づいていることと思うが、あのおせっかいも、ちゃんとマニュアル化されている。“スマイル¥0”と麗々しくメニューに掲げてあるが(あれ、まだ載ってるか?)、スマイルコンテストの名で、どれだけ販促できたかはちゃんと評価される仕組みになっているし、どう販促するかはレジの下の方にアンチョコが用意されている。今もあるのかは知らないが。
レジの下には、実はもっと恐ろしいものが貼ってあった。以下次号。