エスパーのお父さん篇はこちら。
今回は熟女二人のお話。丹波のテレビの代表作といえばフジ「三匹の侍」。その映画化にあたって、監督の五社英雄は……
丹波:でも五社英雄は神経質だからね。あいつ二度も自殺未遂してんだから。一遍はバカバカしくて聞いてられない。タクシー乗って帰ろうとしたら、タクシーに乗れるだけの金がない。で、市電に乗って帰ってきたのが残念だってんで、自殺しちゃうんだ(笑)。バカみたいだ。もうひとつはピストル事件だ。
-本物の拳銃を所持していて逮捕された事件ですか。
丹波:五社はショックで、また自殺未遂よ(笑)。五社は猪突猛進型なんだ。で、五社が惚れたのは松尾嘉代なんだ。だから松尾嘉代のことを女優としてではなく、女として扱うんだな。松尾嘉代は「現場では私は女じゃない、女優だ。自分を女として見ないでくれ」とハッキリ言うんだよ。でも五社はまいっちゃったんだろうね。現場では追いかけ回してたね。
……後に「鬼龍院花子の生涯」などの傑作を連発する五社に、こんなみっともない過去があったなんて。まあ丹波も……
-『パレンバン奇襲作戦』(63)という戦争映画がありますよね。監督は『少年三四郎』の小林恒夫さん。これは『第七の暁』のロケから帰国して第一作でしたね。
丹波:ああ、覚えてる。特に印象に残ってるのは(フランソワーズ)モレシャン。彼女はこの頃結婚してたよ。言っとくけどね、俺の方が積極的じゃないのよ。モレシャンの方が強烈に迫ってきて、香港まで追いかけて来たんだから。香港でマスコミにばれちゃったんだから。俺は外国人女性にもてるんだ(笑)。
……正体不明の女(わたしにとって、ですが)フランソワーズ・モレシャンって、丹波哲郎とできてたのか!それ以上に、この人そんな昔から日本に来てたの?
【人間革命篇へ続きます】