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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

スパイダーマン2('04)

2008-03-03 | 洋画

Spidermam2_2 日本の漫画が世界最高水準にあることはよく知られている。日本文化で誇れるのは、クロサワやオズよりも、今や大友克洋や鳥山明だ。そんな高いレベルに慣れた目で見ると、アメリカンコミックの良さっていまひとつわからない。だから前作のメガヒットも、本音のところ日本人には理解不能だったのではないか。しかも監督は「死霊のはらわた」のサム・ライミ(うわっ!オレと同学年だったのか)。そこはかとなく……どころではないB級タッチにとまどった人も多かったはず。

 でも今回はかなりいい。超人になったことに悩む主人公、こんな定石が他のどんなヒーローよりも納得できる。考えてみれば、スパイダーマンって手首から粘着質の“糸”を出すぐらいしか能がないわけで、ニューヨーク市民(=観客)の応援がなければ立ちゆかない存在なのだ。活躍した後の消耗も激しいし(笑)、こんなに貧乏なヒーローも珍しい。だからこそこんなくさいセリフの連続にも素直に感動できる。

大いなる力を持つ者には、大いなる責任がある」(聞いてるかブッシュ)

誇り高く生きなさい。そうすれば毅然として死を迎えられる

ヒロインMJを演ずるキルステン・ダンストについては、好き嫌いがはっきり分かれているようだ。フェイ(キングコング)レイに始まるスクリーミング・アクトレ ス(絶叫女優)の系譜のなかで、おそらくはいちばん不細工だけれど、おそろしいものでわたしは次第に心奪われた。ラストの不安げな顔もいい。

デートムービーとして、これ以上はちょっと望めないほどの出来映え。恋人といっしょに観たら、相手のことをもっと大事に思えるようになるかもしれない。まあ、その恋人が手首から変な糸が出せるようなら、ちょっと話は別だけど。

スパイダーマン3」はこちら。

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「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」('04)

2008-03-03 | 洋画

Hpprisonerinazukaban 人気シリーズの第3弾。監督はクリス・コロンバスから『天国の口、終わりの楽園』のアルファンソ・キュアロンにバトンタッチ。逝去したリチャード・ハリスのダンブルドア校長以外の主要キャストは続投している。また、新登場キャラのシリウス・ブラックには『レオン』のゲイリー・オールドマンが扮する。物語の中心となる魔法の村・ホグスミードや吸魂鬼・ディメンターの描き方に要注目。
ストーリー: その名を聞くだけで誰もが震え上がるアズカバン刑務所。そこには史上最強の凶悪犯と言われるシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が収監されていた。ところが彼は脱獄し、しかもハリー(ダニエル・ラドクリフ)の命を狙っているという……。

 堀家の出した結論。
「今までのハリポタのなかでいちばんいい!」わたしもそう思う。
 原作もこの「アズカバンの囚人」がいちばん面白いらしいが、ストーリーに何といってもコクがある。変な言い方だけど、イベント映画だったハリポタが、“普通に面白い映画”にもなっているのだ。

 このシリーズが人気があるのは、ホグワーツ魔法学校を舞台にした恐怖映画のテイストと、のび太ルックスのダニエル・ラドクリフ(この子はほんとうにいい)中心のユーモアの緩急に子どもたちが反応するのだと思う。いじめっ子マルフォイはスネオってわけ。今回は特に恐怖映画色が強く、ディメンターが浮遊する映像はみごとだ。

 原作を未読なので、囚人、人狼とハリーの両親のドラマには「ほほう」と唸らせられたし、大人の観客としてはエマ・トンプソンやジュリー・クリスティなどのイギリス俳優陣(この二人、どこに出てるか気づきました?)が喜々として大仰な演技をしているのを楽しむことができる。しかし誰より囚人役のゲイリー・オールドマンだろう。あの、どんな役を演じても病気を感じさせる曲者が……あ、これはネタバレになっちゃうな。とりあえず、初めて本気で原作を読んでみようと思いました。おい息子よ、本はどこへやった?

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グリーンハウス再建計画 ページ12 ~ シネコンサバイバル

2008-03-03 | 映画

Matsuganecase ページ11はこちら。

「グリーンハウス再建計画」ページ5でふれたように、シネコンはまず郊外に建設され、のちに都市部に浸透する流れになっている。海老名などのベッドタウンにおけるワーナーマイカル→六本木ヴァージンシネマが代表的。

 ところが今回のムービーオンの動きは、まさしく逆。駅ビルにソラリスが入居して、メジャーなシネコンの進出を阻んだと思ったら、なんと地元企業の連合体(八文字屋書店・山形ケーブルテレビ)の方が郊外に進出という形になるわけだ。

 はたして、新シネコンとソラリス=フォーラムグループは両立できるのだろうか。ちょっと過去をふりかえってみよう。山形市で映画館を主に経営していたのは宮崎合名社。しかし映画人口の減少とともに松竹や日活などの直営館が次々に姿を消し、宮崎合名社もソラリスの出現にとどめをさされて県内の興行から撤退する(秋田などではシネコンを経営している)。つまり、山形では既存館とシネコンが同時に成立したことがほとんどないのだ。さて問題は、シネコン+シネコンは成り立つのかだ。ムービーオンが目をつけた(ソラリスも同時に目をつけていたのは不良主婦のリポートにあったとおり)島地区の再開発の行方にもよるが、二十億円という巨額の設備投資をクリアできた時点で、映画の興行が“商売になる”と判断されているのはまことによろこばしい。

 だから微妙なのは、設備としていまひとつであるソラリスの方。かつて宮崎合名社や酒田港座が撤退せざるをえなかった二の舞にならない保証はない。生き残るための絶対条件は、言うまでもなく「映画人口を増やす」これだけだろう。

コンテンツ事業である映画は、いまやあらゆる業種から注目される花形産業と化している。しかしそれが花開く前にソラリス=フォーラムが撤退する愚は避けなければ。あのグループには、まもるに足る価値が確実にある。映画都市山形の読者諸君、映画館の未来は、そして映画の未来はあなた方の双肩にかかっている(笑)。少なくとも月に一回は映画館に行け!何度も言うけど、芸術は“他者とともに鑑賞する”ことが必要なんだぞ!

画像は、ムービーオングループが長期上映にこだわった「松ヶ根乱射事件」。なーんだ、わかってるスタッフもいるんじゃん。

ページ13にもちろん続きます。

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グリーンハウス再建計画 ページ11 ~ ムービーオンの逆襲

2008-03-03 | 映画

Doublejeopardyposter0 ページ10はこちら。

「東北最大」シネコン山形に来夏オープンへ
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 山形市内に「東北最大」のシネマコンプレックス(シネコン、複合型映画館)が来夏をめどにオープンすることが1日、分かった。運営は市内で映画館経営をする「MOVIE ON」(吉村和文・代表取締役)で、最終調整が現在進められている。建設が予定されているのは、山形市北部にある島地区の再開発地域。計画ではスクリーン数12、総定員数は2500席を設ける。敷地面積は約31000平方メートル。山形市内だけでなく寒河江、天童両市などからの利用者を見越し、1千台規模の駐車場を造る予定だ。
 現在東北で最大のシネコンは宮城県利府町にあるスクリーン数12、定員は2441席の「MOVIX利府」。計画通りに建設されれば、山形の施設が「東北最大」となる。一帯は大型商業施設が林立する地域だが、娯楽施設に乏しかった。そこで映画館だけでなく、飲食店やゲームセンターを併設することで「娯楽の拠点」になることを目指すという。総工費は15~20億円規模になる見通しだが、吉村氏は「資金的な問題はクリアできた」と言う。現在は共同運営を申し出ている開発業者や総合商社と詳細を詰めており、今月中には正式決定して発表する見通し。 
(2005年7月2日)

 こ、これは……。それでは例によって不良主婦によるレポートを。

Doublejeopardy5 私も数日前の新聞で「来年山形郊外にムービーオンが東北最大級のシネコン~」という記事を見てびっくりした一人です。センセイじゃなくても大丈夫なのかフォーラムグループ?と心配になっちゃいますよねえ。
以前サイトウさんから聞いた話だと、現在の場所にフォーラムの移転先を決定する前に、候補地が他にも2、3あったそうで、ムービーオンが来年シネコンを作る予定の場所あたりも候補地のひとつだったようですよ。それでも駅前の今の場所に決めた理由は、たぶん

①車を持ってない学生や高齢者に配慮
②山形市中心街の賑わいを取り戻す
③二年に一度開催される山形国際ドキュメンタリー祭の会場としての利便性

というこのあたりを考慮したんじゃないんですかねえ。いえ私の勝手な推理ですが。

……さて、商売としてソラリス・フォーラムとこの新シネコンが共存できるのかというお話は次回に(この新シネコンのオープンは紆余曲折があって08年の春に延期された)。

画像は、今はムービーオン系列になっている映画館で観た「ダブル・ジョパディー」。同じ事件で二度裁いてはいけないというのはこの頃の常識だったのに(クリスティの某作品でも重要なキーになっている)、三浦和義に人権はないのかなあ。

コメント (3)
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