ブロードウェイでヒットしたミュージカルの映画化。と言っても、トム・クルーズが出ていなければまず見ようとは思わなかったのが正直なところ。脇にまわると、トムは変な演技をうれしそうにやるんだよなあ。ポール・トーマス・アンダーソンの「マグノリア」の、あの変な教祖とか。
今回は自分でも歌うことに喜びを見出せなくなっているスターの役。徹底したトレーニングによってみごとにシャウトしてくれます。「アリー/スター誕生」のブラッドリー・クーパーもたいしたものだったけど、スターもたいへんですね。
ストーリーは恥ずかしくなるくらいのボーイ・ミーツ・ガールもの。あざといすれ違い、臆面もないハッピーエンド。でも描写はけっこうエグくて、ひょっとしてR指定だったんじゃないか。
さて、この作品の主役はしかし音楽だ。ラインナップを見て「これ、おれの映画じゃん」と思う人はきっとわたしと同世代だ。
・フォリナーの「ジュークボックスヒーロー」「アイ・ワナ・ノウ」「ガール・ライク・ユー」
・ジョーン・ジェット&ブラックハーツの「アイ・ラブ・ロックンロール」
・スターシップの「シスコはロックシティ」
・パット・ベネターの「強気で愛して」
・REOスピードワゴンの「涙のフィーリング」
・ジャーニーの「ドント・ストップ・ビリーヴィン」「お気に召すまま」
・クォーターフラッシュの「ミスティ・ハート」
他にもデフ・レパード、ガンズン、ホワイトスネイク、ポイズン、トゥイステッド・シスター……わははは。なんかもう笑うしかない。しかし、この選曲は“ロック”かなあ。