第27章「日本海大海戦 海ゆかば」はこちら。
史劇を愉しむ、というかヘラクレスって実在したのかって話だけど、このシリーズではノアもエクソダスもやったしね。
しかしギリシャ神話のヘラクレスをそのまま映画化したのでは芸がない。というか神話上のヘラクレスって無茶苦茶です。
神話オタクである娘と違い、わたしはそっち方面に暗いんだけど(歴史には全面的に暗いですけど)、妻と子どもを狂気の果てに殺していたり、何かっていうと怒って殺したり破壊したりの連続。ゼウスの息子だと何をしてもいいのかよ、って感じ。
しかしこの映画はそのあたりを
“なぜそう語られたのか”
という謎解きを中心にしている。確かにヘラクレス(この名前が最後に効いてくる)は怪力の持ち主だが、半神半人なんかではなくて普通の人間だ。でもゼウスの子というキャッチコピーが敵を恐れさせるという効果があるから否定しないだけ。妻子殺しに至っては……
ヘラクレスを演じたのはドウェイン・ジョンソン。まーぴったりです。すごい身体。白眉は自分が鍛えた兵隊たちを鼓舞するシーン。レスラー時代のマイクパフォーマンスもかくやと。見た後に何も残らない、だからこそ楽しい映画でした。わたし、好きです。
正直に言うと、英語圏ではヘラクレスを“ハーキュリーズ”と発音するらしいのに驚いてレンタルしました。こんな動機もありよね。
第29章「王妃マルゴ 無修正版」につづく。