第11回「許されざる嘘」はこちら。
三谷幸喜はこのドラマを「ゴッドファーザー」のようだとプレゼンしていたけれど、同時にサザエさんのようだとも形容している。彼がサザエさんの脚本を書いて、プロデューサーが目の前でその脚本(タラちゃんがムキムキのオトナになる話だったらしい)をゴミ箱に捨てたのは有名な話。
この大河はその意趣返しと考えてもいい。
今日も2回見ました。どうしたってサザエさん。彼女(小池栄子……お魚くわえたどら猫を裸足で追っかけるようだが、財布を忘れるようには見えない)が子を産むために実家に帰るのをマスオさん(大泉洋)は歓迎する。ゆっくりして来いと。それは愛人(江口のりこ……サザエさんにはもちろん登場しない)の存在があったわけだけど、カツオ(小栗旬)はそのことで右往左往する。
フネ(義母だけど……宮沢りえ)はそういうときに本妻がやれることがあると。ちょっと仕返ししちゃえと。それはルール違反じゃないと。ちっちゃい話におさめようとしていたのに、ことを大きくしてしまったのが義経(マスオの弟ってことよね……菅田将暉)。彼のなにかが反応し、愛人の家に火までつけてしまう。
「派手にやれ」
と武蔵坊に命ずるあたりのセンス。
そしていよいよ登場するのが波平(坂東彌十郎)。マスオのやり口に激昂して自領に帰ると宣言。呆然とするマスオ。ずーっと困った顔ばかりのカツオ。そして批評家としてコメントするワカメ(宮澤エマ)。ホームドラマとして完璧。
あ、タラちゃん(源頼家)がとてもかわいかったです。いっしょに見ていた妻が大喜びの回でした。
第13回「幼なじみの絆」につづく。