「映画の中、舞台の上だけでなく、日常生活のうちにも老人演技はある。わたしは緒形拳や山崎努と同世代だが、もうおやじや祖父たちのようにはうまく齢がとれない。毎日のようにそう感じている。苦しまぎれに先人の老人演技をまねてみたところで、そらぞらしく、コッケイになるだけ。ひとよりさきに、じぶんでじぶんを笑ってしまう。そんなこと、おやじたちは思ってもいなかったろう。」
まことに、もっともな話だと思う。わたしは五十代だけれど、波平さんよりも年長なのだから庭で盆栽でもいじっていようかとは、現代ではまわりも許さないしわたしも想像できない。年をとるとはどんなことかと考える時間だけは(長寿な時代だから)ふんだんにあるのだけれど。
作者の津野海太郎(つのかいたろう)さんのことはよくわからない。「本の雑誌」連載中は、確かにこの人は晶文社の編集者なのにどうして演劇の演出やプロデュースをやっているのかと首をかしげながら読んでました。どのような形で晶文社を離れたかもうっすらとしか書かれえていないので、やはり謎の人。文章の切れだけはお年寄りのものとはやはり思えないのですが。
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