もうしわけないけど、完全ネタバレでいきます。
先に見てきた息子が
「なんだか、暗い話なんだよなあ」
「レディー・ガガはどうだった?」
「ガガはすごくよかった」
うーん、わたしもこの映画は見るつもりだったので(というかあの「ジョーカー」の続篇を見逃すはずがない)、休日に映画館へ。
まさしく、息子が言う通りの作品でした。ビョークが主演した「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と双璧をなすような、史上もっとも陰鬱なミュージカル。
オープニングからして暗い。刑務所に収監されたジョーカーを演ずるホアキン・フェニックスの身体は、前作にもまして細くなっている。彼は精神科で音楽セラピーに参加していたリー(レディー・ガガ)と恋に落ちるが……
悲惨な現実と、夢想するミュージカルシーンの落差を強調したかったのはわかる。トッド・フィリップスの演出はていねいだし、使用曲も
(They Long To Be) Close To You
That’s Entertainment
Bewitched
That’s Life
これにビリー・ジョエルの「マイ・ライフ」まで挿入されるのだ。ぜいたくなこと。
しかし、マーゴット・ロビーのイメージが強いハーレイ・クインにレディー・ガガを起用し、バットマンの世界(ハービー・デント検事もちゃんと出てくる)を描くという期待はみごとに裏切られる。前作のラストの高揚をわざわざ否定するためにつくられたとしか。
あの階段もちゃんと描かれるが、それがどんな時かというと……あ、これはさすがに言えない。
フォリ・ア・ドゥとは心理用語で「ふたり狂い」だとか。お互いが影響し合うことで狂気が進行する。それをタバコの煙で象徴するあたり、うまいんだけどなあ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます