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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

光る君へ 第39回「とだえぬ絆」

2024-10-13 | 大河ドラマ

第38回「まぶしき闇」はこちら

長いことこの大河を観てきて、今回が一番泣けたかもしれない。

それは、紫式部の弟、藤原惟規(高杉真宙)の死が描かれたからだ。考えてみてほしい。このドラマでは登場人物の多くが腹に一物かかえていて、特に今は皇統がどうなるかで大騒ぎだ。

でも惟規は違う。自分の立身出世に「そんなに働いたおぼえはないんだけどなー」と照れ(あるいは姉と藤原道長の関係のおかげなのかとニヒっている)、同時に姉の気持ちを理解もしている。乳母であるいと(信川清順……この人はいいですよね)からは若様と呼ばれ、一家の人気者だ。しかし、父為時(岸谷五朗)が越後に赴任するのに同行し、途上で亡くなってしまう。

思えば、このドラマで最も愛すべき人物だったのだ。一種の評論家としてこのドラマを上空から俯瞰してもいた。残念。

才のない人物が、才がないことを意識することは苦痛であるはずなのに、この弟はそれを微塵も感じさせなかった(和歌の才はめちゃめちゃあったらしいけれども)。姉が優秀な人物であることに、ただただ誇りをもっていて、彼女の苦境に見て見ぬふりをする気づかいもあった。

大石静さんとしても物語をつむぐ上で、とても貴重な人物だったはず。だからナレ死ではなく、あれほどの尺を使ったのだろう。いやー泣いちゃいました。

「この人、もうすぐ死んじゃうらしいんだよね」

いっしょに見ていた妻にいうと

「そうなの……でも今日じゃないわよね?」

いきなりでした。で、来週は誰が死ぬんですか?わたしは「鎌倉殿の13人」を経過しているので、たいがいのことでは驚きませんよ。

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「エレファントヘッド」白井智之著 KADOKAWA

2024-10-13 | ミステリ

「名探偵のはらわた」「名探偵のいけにえ」などでわかっていたつもりだったけれど、今回はグロさがパワーアップしています。人間が簡単に爆発し、内臓が飛び出てくる。しかもラストでは……

「ねえ、どうしてこの本を買ったの?」と司書に。

そうです。うちの中学の図書室にあったんです。

「いやーなんか面白そうなんで(笑)」

「うん、まあこういうのが好きな中学生もいるかもね」

まあ少ないとは思いますが。

量子力学をからめて、展開はまことに複雑。でも伊坂幸太郎が推薦するように、きちんとしたミステリになっている(んでしょう。途中で検証は放棄しました)。それにしてもめんどくさいことを考える人もいたものだ。

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