第21回「篤太夫、遠き道へ」はこちら。
前半の山場であるパリ万国博覧会のお話。
まずはそこへ向かうまでが大変。55日間の船旅。栄一は船酔いに苦しめられる。あのー、わたしごときがこんなことを言ってはいけないのは承知していますが、飛島という離島の学校と兼務したときの経験を思い出してクラッときました。
たった75分ですよ。酒田から飛島まで。長かったー。連絡船の時計の分針がぴくりとも動かないの。それが延々と続くわけだ。ひー。
そして巴里。まだエッフェル塔(めちゃめちゃに嫌われたらしい)がなかった時代。金かかってんぞーという映像が続く。
そこへ極東からちょんまげを結って人殺しの道具を常に携帯している“蛮族”がやってくる。世界で最も洗練された都市であるという意識があるパリ市民はそれでも彼らを歓迎する。
よくわかります。東京の人たちがそうでしたもんね。学生の頃、田舎者を内心ではバカにしていたかもしれないけれど、それを表面化することは(あまり)なかった。山形から出て行き、これが新宿かこれが渋谷かとうろついていた山形県人を、少なくともそのころの東京人はバカにしてなかったですし(気がつかなかっただけ)。
栄一は気づく。スエズ運河が民間によって実現するということの驚異。日本の資本主義の父のお話ですからね。お上の意向によってすべてが決まる農本主義の世にいた彼にすれば、およそありえない話だったはず。
同時にもうひとつ、政商という存在にも思い至る。五代才助(ディーン・フジオカ)が万博にいろいろと薩摩としてかましていたと。やるなー薩摩。
問題は例の後継ぎ問題で、平九郎(岡田健史)はめでたく渋沢家に迎え入れられる。ちょっと待って。みんな祝祭モードだけど、ていちゃん(藤野涼子)それだと大好きな彼と夫婦になれないんじゃ。いやそれどころかとんでもないことにこれからなるらしい。うーん。
第23回「篤太夫と最後の将軍」につづく。
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