第29回「栄一、改正する」はこちら。
今回はなかなか考えさせられる回だった。
栄一の父の退場。その最期に、彼は息子のことを誇りに思っていると語る。
このパターンは山田太一原作・市川森一脚本・大林宣彦監督というとんでもないメンバーの「異人たちとの夏」を思い起こさせます。風間杜夫が演じたシナリオライターに向けて、異人、つまりは幽霊であるである両親(片岡鶴太郎、秋吉久美子)が語ったのが
これで泣けない人はいないでしょ。子どもというのは、親にそう言ってほしくてがんばるわけじゃないですか。
父親(小林薫)は、当時として完全な人生を歩んだことが書類によって証明される。ちゃんとした人だったわけであり、息子の無法も我慢した。そして、きっと和久井映見以外の女性とエッチしたりすることもなかったろう。
息子の方は、でました渋沢栄一の最初の浮気。無視することはできませんよね(笑)。事実なんだから。相手が戊辰戦争の被害者であるあたりの仕掛けがありつつ、これはギャンブルだったと思います。確実に、ある程度の批判はありますから。視聴率下がるかも。
完全な人生を送った父親と、ディーン・フジオカによって「(公僕であるだけで)いいのか」と挑発され、しかもちょっと浮気しちゃう栄一、こちらもうまい仕掛けだと思います。
そしてわたしはこれだけはいいたい。その浮気相手の仁村紗和って、その太い眉だけではなく、原恵一の傑作「百日紅(さるすべり)」を実写化するとすれば主演は彼女しかありえないのでは……
第31回「栄一、最後の変身」につづく。
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