コロナ禍のなかで、映画館にほとんど行かなくなり、それでどうなったかといえばうちでDVDを見たり本を読んだりの時間が増え(禁酒をやめてから酒量も増えまくりだけど)、おかげで9月はじめの段階でDVDも本も100の大台にのっている。
本のなかで、いちばん読んでいるのは実は中山七里だ。デビューが46才と遅咲きだったのを取り返すようにバンバン書き続けている。そしてあろうことか2020年は作家生活十周年を記念して毎月1作、12ヶ月連続刊行を実現した。以下のとおりだ。
1月 『騒がしい楽園』 朝日新聞出版
2月『帝都地下迷宮』 PHP研究所
3月『夜がどれほど長くとも』 角川春樹事務所
4月『合唱 岬洋介の帰還』 宝島社
5月『カインの傲慢』 KADOKAWA
6月『ヒポクラテスの試練』 祥伝社
7月『毒島刑事最後の事件』 幻冬社
8月『テロリストの家』 双葉社
9月『隣はシリアルキラー』 集英社
10月『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』 文藝春秋
11月『復讐の協奏曲』 講談社
12月『境界線』 NHK出版
つまりは月刊中山七里。おそるべきプロ根性ではないか。往時の松本清張、笹沢佐保、赤川次郎もかくやと。
そして、すべて違う出版社から出ているあたりに作家としてのポリシーを感じる。実際に、彼は今年の「このミステリーがすごい!」で、プロの作家として必要なのは才能よりも“縁”だとしている。謙遜半分だとしても、半分は本音なのだろう。
各社別にシリーズキャラクターを設定し、必要に応じて“共演”させたりしている。きついことではあるだろうが、おかげで「中山七里の客」をがっちりつなぎとめている。
わたしは典型的な中山ワールドのファンなので、「毒島刑事最後の事件」幻冬舎、「テロリストの家」双葉社。「カインの傲慢」角川書店、「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2」文藝春秋、「ヒポクラテスの悔恨」祥伝社、「ラスプーチンの庭」角川書店を愉しませていただきました(合唱は去年のうちに読んでます)。
好きな作家が多作だとありがたいありがたい。原尞さんはわかりましたか。
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