Glenn Frey - You Belong To The City - HD
Vol.27「いつもふたりで」はこちら。
60代女性。遠距離交際中の同年代男性の相談です。
2か月に1回くらい会っており、とても仲の良いカップルだと思います。
ただ一つ気になることがあります。あちこち行った際、記念に写真を撮ろうと彼にカメラを向けたら、いきなり直立不動の姿になるのです。昔の人のようで、びっくりしました。普通の会社員なのに真面目すぎというか、あまりいないタイプだと思います。
後でプリントしてさらに驚きました。どのシーンも真っすぐ向いてニコリともせず、硬い表情なのです。
「もっとリラックスして。私が嫌いなの」と聞いても、「そうじゃない。撮られるのに慣れていないだけ」と言います。背も高く、いい男なのに残念です。
今の人はみんな肩を組んだり、手をつないだりしながらリラックスした様子で写真を撮っています。それなのに顔がこわばるなんて、変な性格な人もいるものですね。自然な様子の写真を撮ることはできないものでしょうか。(愛知・S子)
……まず指摘しておくと、これ相談じゃないですよね。S子さんも実は、自然な様子の写真を撮りたいだけのために大新聞の人生相談欄に投稿したのでは(本人はそう思っているのでしょうが)ないと思います。
確かにすばらしいカップルだと思います。お互いにどのような人生を歩んでこられたのか、ここまでの関係はなかなか築けるものではありません。他の相談に見られる憎悪や嫉妬、そして金銭の問題からも遠く離れている。あやかりたいものです。
ただし、あなたも少し不安ではあるんでしょう?こんなに素敵な彼のことを、わたしはこんなに好きでいるのに、彼の方はそうでもないのかな、と。記念写真撮影時のテンションの差はその現れではないのかしらと。
でもその不安こそが恋愛ですよね。そしてあなたは何より、あなたと彼は恋愛している、その関係は素敵だ、何度もスナップショットを撮るうちににこやかな表情を見せてくれますと言って欲しい……つまりは承認を求めているのでしょう。皮肉で言っているのではありません。本心から、素敵な関係だと思っているのですわたしは。ただちょっと、そうつぶやく時に顔がこわばるだけで。
本日の1曲は、亡くなってどれくらいになるだろう、グレン・フライのYou Belong To The City。学生のときに、大文字はこういうときに使うんだっ、とアメリカ人講師にたたき込まれたけれども、すっかり忘れてしまいましたー。
Vol.29「自虐の詩」につづく。
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