第2話「動く死体」はこちら。
今回は精神科医の犯罪。この職業を選んだだけで、いかにもアメリカっぽいドラマにしたいという作り手の作戦が見える。
演じるのは古手川祐子。どう考えてもミスキャストだし(見えないでしょ?精神科医には)、解決の決め手も弱いと思っていたけれど、久しぶりに観たらけっこうしっかりしたミステリになっていた。
無邪気でいたずら好きな恋人(羽場裕一)に、自分というものがありながら別に本命の女性がいることへの意趣返しに殺害。恋人のいたずらが結果的に彼女の命取りになる。
はじめて(というか撮影はこのエピソードが最初)古畑が自転車(セリーヌ!)に乗って現場にやってくる。巡査たちの態度から、古畑が警察内部で一定の尊敬を集めていることが感じとれる。
およそ刑事らしくない古畑が実在したら、あの警視庁で浮いているに違いないのだが、セレブたちの犯罪を文字どおり毎週のように解決するのだから警部補止まりな方が不思議かも。
殺される恋人の職業はシェフ。まったく料理をしない精神科医のオーブンにローストチキンが入っているあたりがヒントになっている。
古畑任三郎においては、料理が事件解決のキーになることがよくある。第一話の卵スープがそうだったし、のちに魚肉ソーセージ!のおかげで解決する事件もあるくらい。
相棒の今泉との会話は今回も絶好調。ベランダに脱いである靴を発見し……
古畑:ずいぶん消極的な泥棒だねぇ……どう思う?
今泉:クラリーノ。
古畑:脱いで入ったってことだよ。
今泉:礼儀正しいんじゃないですか。
古畑:消極的で礼儀正しい人が泥棒なんかするかね。
第4話「殺しのファックス」につづく。
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