「pretend(ふりをする)という単語を2回使って英作文してごらん」
大学生のふりをした息子が、IT会社の社長令嬢の家庭教師となり、こんな課題を出す。
この映画は、失業状態で半地下の住居で暮らす父(ソン・ガンホ)と母(ハンマー投げの選手だったのがあとで効いてくる)、そして浪人中の息子と娘が、次第に社長の家族に別人のふりをして入り込み、寄生(パラサイト)する設定。
監督は「殺人の追憶」「グエムル-漢江の怪物」「スノーピアサー」のポン・ジュノ。
カンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)をとり、アカデミー賞でも外国語映画で初めて作品賞にノミネートされている。だから格差に異議を唱える社会派の作品なのではないかと考える人も多いと思う。
実際に「スノーピアサー」は列車の前と後ろが階級を露骨に意味するという映画だったし(今回は住居の上下が階級を意味する)、グエムルの英語題名はHost(宿主)という、今回の題名と真逆になっている。朴槿恵政権時代は左翼だと問題視されていたくらいだから意識的なのは間違いない。
でもそっち方向の作品だと考えると、この映画を見間違ってしまうと思う。
確かにそっち方面の描写は多い。社長一家が思いきりアメリカ礼賛で、社長夫人(黒木瞳そっくり)がいちいちWhy not?とかネイティブっぽい英語のフレーズを使うとか、セックスまで階級格差を象徴しているとか。
この作品でもっとも印象的なのが、豪雨のなかを一家が半地下の住居へ“全力で降りていく”描写なのもとどめか。
でも、ポン・ジュノはそんな意匠を利用しながら、過激なホラーを例によってつくりたかったんじゃないかなあ。
このポスターをよーく見てくださいよ。ネタバレになっちゃうけど、実はここには社長一家と半地下の家族以外に、もうひとり映りこんでいるのにお気づきですか。その人物の登場以降はそりゃあもう大騒ぎさ(笑)。切れっ切れの演出が光る、才人の意欲作。そこをまず楽しむ作品でした。
horiさんは土曜でしたか?
流石に子供はいませんでしたが、
20代からご高齢の方まで結構混雑です。
家族の立場がひっくり返るのかと思えば
予想の斜め上行く展開に驚愕です。
ポン・ジュノ監督作初めての妻も
「すごい才能!」と言っておりました。
恐らく今後も大きな賞取れるかも…ですね。
ございますよっ!
いつ面白くなり始めるのかなあと思った途端に
あの騒ぎ(笑)。
けっこうなお点前でした。
でもおれは「殺人の追憶」の方がずっと好き。