TVドラマのオールタイムベストを挙げろと言われたら、躊躇なく
「天下御免」(早坂暁 NHK)
「前略おふくろ様」(倉本聡 日本テレビ)
「王様のレストラン」(三谷幸喜 フジテレビ)
を選ぶ。時代と脚本家の幸福な出会いがここには確実にある。予告ばかりやっているけれど、いつか必ず特集します。
しかしここへ食い込むような傑作がいきなりあらわれた。「木更津キャッツアイ」(宮藤官九郎 TBS)がそれ。
すでにTVドラマを1クール毎週つきあうなどという習慣を失い、おまけにいくらクドカン(宮藤)の作品でも「余命いくばくもない主人公が、なんか悪友たちと野球をやる」設定にはどうしてもノレず、オンエア時には一度も観ていない。これは世間も同じだったようで、クドカンの最高傑作、と騒がれたわりには視聴率は低迷した。
しかしその不明を恥じる。いやもう速射砲のようにくり出されるセリフの応酬は史上最高。岡田准一(V6)のクールな風貌がここまでいかされたのって初めてだろうし、櫻井翔(嵐)なんてこのドラマで初めて“認識”した(笑)。
テレビではいっこうに映えなかった薬師丸ひろ子も、キレまくる高校教師役がみごとにはまっている。酒井若菜にしたって、これまでどこがいいんだと思っていたが、「木更津にスターバックスができますよーに」と神社でお祈りするモーコ役はひたすらかわいい。
そして小日向文世。死にゆく息子にどう対処していいかわからず、和田アキ子のモノマネで
「♪あのか~ね~を~ 鳴らすのはーあな~た~♪」と絶唱する父親。
こんな役、小日向以外に誰がこなせたろうか。以下次号。
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