うわあ、見るのやめようかなと途中で思いました。児童虐待、一家惨殺、格差社会……これでもかとしんどい要素満載だから。
ん、しかしちょっと待てよと。あの、早稲田出身の貫井徳郎が慶応にケンカを売った原作の映画化なんだから当然の展開じゃないか。
オープニングのバスのシーンからていねいな演出が光る。エキストラ全員が自然な演技ができているし、登場人物たちの邪悪な裏面と、それにとどまらない何かも絶妙に描かれている。
主演の妻夫木聡と満島ひかりはもちろんのこと、上昇志向を秘めた夏原さん役の松本若菜(すんごい美人)、彼女に嫉妬する臼田あさ美、不自然な関西弁がご愛嬌の眞島秀和など、みんないい。
脚本は大好きな「リアリズムの宿」「もらとりあむタマ子」の向井康介、監督は石川慶。彼が次に撮った長篇が「蜜蜂と遠雷」だったのだ。しまったー、なんで見逃したんだ。
製作はオフィス北野とワーナーの共同。確かに、たけし映画の雰囲気もただよっています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます