事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「夏への扉」The Door into Summer ロバート・A・ハインライン著 早川書房

2021-05-17 | 本と雑誌

SF者ではないわたしだって承知している巨匠ハインラインの名作。特に日本では評価が高く、オールタイムベストSFに選ばれたりしている。1950年代から21世紀を眺望し、未来が悪くないものとした楽天性と、猫を愛する主人公に代表される叙情性がうけているのだろう。

発明家である若き主人公は、家事を省力化するロボットを事業化する。まるでルンバの登場を予期していたよう。しかも彼はそのロボットを汎用の部品で作り上げるのだ。単なる絵空事に終わっていないわけ。

21世紀に生きるわたしたちは、「お、これってワープロソフトじゃん」「動く歩道をこんなに前から思いついていたのか」と驚かされる。しかし彼の想像とは違った方向に進化したものもわたしたちは持っている。スマホだ

携帯はハインラインも予測したようだけれど、これだけ伸びしろが大きい機械はそうはない。しかも、誰でもこの機械を所持しているという状況は、たとえば30年前の自分は想像もしなかった。

スマホの画面を見てつくづく思う。わたしたちは今、未来に住んでいる。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 青天を衝け 第十四回 栄一... | トップ | 「日本アニメ誕生」豊田有恒... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
海外SFの入り口として (みこ)
2021-05-21 20:26:29
かつて私の同級生の間では,「われはロボット」「リプレイ」「夏への扉」3点セットが人気でした.
なので家に今もあるし想い出が多すぎて,新訳苦手で未読です.
そろそろ読もうかなあ.
返信する
わたしは…… (hori)
2021-05-21 20:59:39
旧訳を読んでないんでうかつな
ことは言えませんが、確かに原作には
ちょっとそぐわない感じがありました。
SFの古典ぽさが(計算していたにしろ)
ないんですよね。

ああしかしリプレイはなつかしいな。
返信する

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事