な、な、なんだこりゃあ!あまりの面白さに一気呵成に読む。
天涯孤独の日本の少年と、メキシコ麻薬カルテルの王がどのようにして出会い、その結果どうなるか……アステカ文明において生贄の儀式が意味するものと、現代の臓器売買を二重写しにして描く暴力の連鎖。「煙を吐く鏡」というタイトルが象徴するものはなにか。大傑作。
鬱々とした精神状態で読み始めたのに、読み終えたらスカッとしていました。抗うつ剤として最適かも。まあ、客は選ぶでしょうが。だって暴力の真ん中に、こんな描写まで挿入してあるのだ。
“高級寿司店はジャカルタに暮らす富裕層と観光客でにぎわい、人々の影をかすかに映し出す水槽のなかを、やがて解体される運命の魚たちが優雅に泳ぎつづけていた。”
のちの展開を予感させる、不気味な静けさ。こりゃ、ドン・ウィンズロウを超えたな。この人の小説、もっと読まなくちゃ。
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