タイトルは、「ネットの先の相手はあなたが知っている人なのか?」ぐらいの意味。原作は読んでいないけれど、ミステリのツボはそのあたりにあるのだと思う。オープニングから生身の象徴であるかのように網膜の拡大画面が連続。浮き出る血管がネットもシンボライズしているんだろう。そして網膜に焼きつけられた画像がラストで……
こんな展開なんだけどどうも成功しているとはいいにくい。ハル・ベリーが他人の秘密を詮索する新聞記者を演じていて、ストーリー的には皮肉が効いていることになっている。ラストの7分11秒はぜったいにばらさないで、と宣伝されているけれど、犯人をそれまでのヒントで当てようってのがまず無理だろ。わたしはヒッチコックの某映画ネタかと誤解して見ていました。
まあ、それはいい。製作者たちが狙ったのは何よりハル・ベリーの美貌で観客をノックアウトさせることだったろうから。「ソードフィッシュ」で必然性もなく巨乳をさらし、「チョコレート」でハードかつ哀切なセックスシーンを演じて見せた彼女は、男性観客にとってはありがたい『脱ぎたがる』女優のひとりだ。アカデミー賞をとったからといって変に演技派ぶったりしないし(翌年に最低演技=ラジー賞もとってるけど)。彼女に匹敵するのはモニカ・ベルッチぐらいかな。この作品でも胸は開帳しないとはいえ、R指定(日本はなぜかPG-12)らしいハードな描写が連続する。特に後ろからのラインに自信があるのか、お尻から脚への接写がくどいぐらいに繰り返される。まことにけっこうである。
でも。
その美貌で作品をささえるのは、おそらくこの映画が最後になるのではないだろうか。なんか、その美しさがギリギリなの。特にお顔に年齢が……かつてレネ・ルッソが、美しい顔のままお婆さんっぽくなってしまったのと同様の道をたどり始めたような気がしてならないのだ。ハル・ベリー66年生まれ。正念場だ。その点男はまだ楽だよね。五十を超えたブルース・ウィリスは、女にだらしない社長役が(アップになると脂ぎっているからこそ)ぴったりだもんなあ。
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