矢沢永吉篇はこちら。
さて、村上秀一の交友録の続き。わたしの世代が血を燃やしたあの方々を。今回は坂本龍一篇。
きたなかったねえ、その頃の龍一。しゃれっけのなさってことでいえば、達郎たちもけっこう人後に落ちなかったけど、龍一のきたなさときた日には、並じゃなかった。俺がムショ入りしたのが79年だから、とりあえず二年半つきあったんだよな。その間ずっと同じウエスタン・シャツにフケでコテコテのバックスキンの黒のジャケット。それ以外の服を着てるの見たことないよ。
そういうやつだったのに、翌年、俺が出所する頃には、いきなり小ぎれいになっていた。細野さん、高橋幸宏と組んだイエロー・マジック・オーケストラが「ライディーン」のヒットで大ブレイクした直後だからね。フケまみれの長髪、ゲタばきだった龍一が、突然テクノカットだもん。
……いやはやこれは意外。名作「千のナイフ」がリリースされた頃か。YMOのファッション関係は幸宏がイニシアチブをにぎっていたので、さぞや手こずらせたことであろう。まったく、今となっては信じられないことだが。
次回は山下達郎篇。
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