第36回「於愛日記」はこちら。
小田原攻めのお話。
北条氏政(駿河太郎)が汁かけ飯を食べているので、大河ドラマファンはいきなりうれしくなる。そうか真田丸を見ていない読者もいますよね。これは氏政が汁かけ飯を食べるときに、汁が足りなくてもう一度汁をかけたのを見た父親の氏康が、
「毎日食事をしておきながら、飯にかける汁の量も量れんとは。北条家もわしの代で終わりか」
と嘆じたエピソードの引用。ってことは駿河太郎の無計画さに笑福亭鶴瓶が激怒したって構図に見える(笑)。でもそんな些事にこだわる父親がいたらわたしはやだなあ。
大河ドラマ好きとして、もうひとつの名シーンを思い浮かべる。「独眼竜政宗」において、小田原攻めにな参戦しなかった伊達政宗と、待っていた秀吉が緊張感ありありで連れションをするエピソード。
スタッフはこのシーンのために秀吉役の勝新太郎と正宗役の渡辺謙を一度も会わせなかったというから徹底している。さすがに今回、ジャニーズの松本潤に放尿はさせなかったけど。
北条を切り取ればその領地はすべて徳川のものになる。しかしそのかわりにこれまでの領地を失うことになる……秀吉の残酷さがここでむき出しになるけれども、こっからが家康の真骨頂だ。
門井慶喜の「家康、江戸を建てる」で描かれたように、単なる湿地帯にすぎなかった江戸を、治水、利水によって未来ある土地に変え、貨幣の鋳造などによって次第にチカラをつけていく……こういう家康が見たかった。
何度も言うようにわたしは信長嫌いで、家康やオクタビアヌスのような地道な人が好き。地方公務員の習性かも。大好きな松本若菜が登場したことといい、好きな回です。
あれ?わたしは家康の最も大きな成果をこないだ見なかったっけ?江戸城。
第38回「唐入り」につづく。
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