「本当の学校事務の話をしよう」で読者の度肝を抜いたヤナギサワが、つづいて太郎次郎社エディタスから刊行した問題作。
今回はヤナギサワ(美男)と福島尚子氏(美女)の共著という形になっている。ここはぜひともチェックしなければと付箋をつけながら読んでいたら本がやたらに緑っぽくなってしまった(緑色の付箋紙を使ってたので)。
構成は、学校における各種の費用負担の【実態】【歴史】【理念】【対策】を追っていく形になっていて、ヤナギサワが【実態】【対策】篇。福島氏が【歴史】【理念】篇を担当。
こう書くとこむずかしい本のように思われるかもしれない。でも全然そんなことはなくて、例によってヤナギサワはギャグを封印するのに苦労しているし(笑)、一気呵成に読めます。とにかく面白いのだ。
前作が学校事務を前面に押し出していたのに比べ、今度はむしろ保護者や業界全体に向けて説明する体裁になっている。というか一種のミステリのようになっているのだ。
それはどういうことかというと、ミステリの基本は5W1Hだ。
・いつ(when)
・どこで(where)
・だれが(who)
・なぜ(why)
・なにを(what)
・どうした(how)
この本において、各種の隠れ教育費(このタイトルがすでにミステリ風味)の5W1Hを名探偵たちが解明するつくりになっている。そしてこの“信用できる語り手たち”は、学校という世界の外にいる方々に説明するスタンスをとりながら、返す刀で業界人に「で、あんたたち自身はこの問題をどう考えているの?」と切っ先を向けてもいる。そのスリリングさもこの本の魅力のひとつ。
では次回からその中身をのぞいてみましょう。っていうかその前にみんなこの本を買ってくれると話は早いのでよろしくね。テストに出るぞ!
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