雨(三善 英史)
Vol.22「同窓会の夜」はこちら。
60代パート女性。30代の三男のことを相談します。
三男は大学卒業後、私たちが暮らす実家に戻り、今は在宅でパソコンを使った仕事をしています。
2年ほど前、スポーツジムで年上の女性と知り合いました。彼女は長男と同級生で、離婚して子連れで実家に帰っていると長男から聞きました。
今年の夏に、三男が彼女と旅行に行くことがわかりました。不安と不満を感じた私は「話がある」とだけ三男に言いました。しかし、夫から「やめておけ」と言われ、その後彼女の件には触れていません。
離婚歴だけなら悩まないのですが、彼女に子どもがいることを受け入れられそうにありません。私たち夫婦は5人の子どもを財産をつぶして育てました。他人の子のためにお金を使うのかと思うと、怒りがこみ上げます。
今も週1回は会っているようです。どうすればいいでしょうか。(滋賀・D子)
……久しぶりに骨のある相談。
「他人の子のためにお金を使うのかと思うと、怒りがこみ上げ」るほどの嫌悪感。すごい。わたしよりもちょっと上であるだけの世代で、ここまでの昭和感(ないですこんな言葉は)をお持ちとは。
しかし平成もまもなく終わろうという時節に、この発想はいかにも時代遅れでしょう。男性の未婚率が25%に及ぼうかというときに。いいですか、男性の4人に1人は生涯一度も結婚しない時代なんですよ。
どうもここでは語られない事情があるような、在宅で働く三男の結婚にあなたが反対したとしましょう。彼は、確実にあなたが望むような形での結婚は絶対に将来にわたってしないと断言できます。彼にだって意地はある。
わたしは思います。かろうじて間に合ったなと。あなたの狭量さ(ですよ、マジで)による破綻だけは避けられた。いや、昭和感(だからこんな言葉はないけれども)丸出しのあなたが、三男に何も言わずに結婚を祝福することなどできそうもないか。
本日の1曲はなんと三善英史の「雨」
三連休に頭から離れなかったんですよ。「約束した時間だけが身体をすりぬける」おお、すごい詞だよな。でもこの女性はどんな理由で誰を待っていたのか。
それ以上に不思議なのが通行人が小突いていくという状況。都会は怖いとこばーい。あと、この人には「円山・花街・母の町」ってのもあるけど、中学時代だったんで深い意味まではさっぱりでした。渋谷は怖いとこばーい。数年後にウォークマンなるものを装着して歩くとは…
Vol.24「かまってちゃん」につづく。