お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

一番私が・・・

2007年06月12日 | 本紹介
 精神科医師 香山リカさん 著 「40代からの心理学」 海竜社  を読んでいます。
 その中で「現代は誰もが`たいへん`。だから・・・」という章があります。

  (p172) 子どもをめぐる問題のシンポジウムでのこと。パネリストの子ども達から大人への批判、厳しい注文などが次々語られた。
 それに対して、会場から意見を述べた50代のお父さん、「大人がボロボロに言われていますが、会社ではリストラの恐怖に怯え、家ではローンに追われ、家族も心を開いてくれない。今のお父さんたちは、大変なんです。」
 
 う~ん、確かにお父さん達のご苦労は、大変でありましょう。
 
  p173 「しかし、よく考えてみれば、大変なのは何も中高年男性ばかりではない。」(略)「現代を生きる誰もがそれぞれの`たいへんさ`に向き合っている。」


 布教使さんF先生のご法話でも似たような話を聞きました。

 ある年配の女性Aさんがお寺に来て、「私が家族の中で一番我慢している」と話される。一方、同居のお嫁さんは、「私が一番苦労している」と話される。Aさん息子さんは「間に立って、一番大変なのは自分だ」
 Aさんの家族は、みんな「私が一番大変」な人ばかりだった。 というお話。


 そうなんです。 私は家族の中で一番苦労しているなんて、全く思っていませんが、それでも精神年齢が低いので、すぐ「大変だった、忙しかった」と、話したがります。つまりは、周囲から「頑張ったね~」とか「ありがとう」とか、ねぎらい、認めてもらいたいわけです。

 でも、これは、夫婦間、兄弟、友人等の大人同士、あるいは、子どもが親に話すこと。
 上記のお父さんのように、大人の愚痴を子どもに対して言うものじゃないと思う。(私の反省もこめて・・・

 そういう大変さを抱えつつも、その大変さをギラギラ周囲に発散、見せないのが本当の成熟した大人、子どもに尊敬される大人なんだと思う。

 香山さんは、こう書かれています。

  p173「そうやって 自分のことで手いっぱいになっている大人たちをモデルにすることもできない子どもや若者も、やっぱり たいへん。
 こういう時だからこそ、本当に必要なのは 自分のたいへんさを ただ主張することではなく、相手の立場に思いやりを持ち、いたわり合い 励まし合って 困難を切り抜けることであろう」



 

 
コメント (2)
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