保津川下りの船頭さん

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明日は嵯峨清涼寺でお松明(おたいまつ)です。

2005-03-14 23:34:34 | 京都情報
京都・嵯峨野に春をつげる嵯峨清涼寺の
涅槃会お松明式が明日3月15日に行われます。

地元では嵯峨釈迦堂と呼ばれ親しまれる清涼寺の
お松明は、入滅されたお釈迦さんを荼毘に付した
様子を再現したものといわれ、大文字、鞍馬の火祭り
とともに京都の三大火祭と呼ばれています。

本堂の前に高さ7mの逆円錐形をした大きな松明を
3基立てて、護摩木を投げ込んで点火します。

芝木と藤蔓で組み立て、中に松葉を詰めたお松明の
炎は次第に大きな火柱となって春の夜空を焦がす
壮大な火祭りです。

昔から嵯峨周辺では、このお松明の燃え具合によって、
今年の、京都の農作物の豊凶を占う儀式でもあり、
お松明式には地元の人をはじめ多くの見物客に賑わい
参道や境内には夜店も多く並びます。

清涼寺には、奈良・東大寺の学僧だった然(ちょうねん)が、
宋へ渡り密教を学んでいる際に、持ち帰った「生身の釈迦像」
が安置されています。然(ちょうねん)は
印度の優填王(うでんおう)が造ったという
釈迦の生前の姿を再現した像と出会い感動。
早速、日本に持ち帰るために同じ釈迦像を造らせた像で
国宝・釈迦如来像として今なお篤い信仰が脈々と続いています。

然は帰国後の永延元年(987)、愛宕山麓に中国五台山を再現して
清涼寺を建立することを進めますが、志半ばで没してしまいます。

その思いは弟子の盛算が引継ぎ、天慶8年(945)、既に
愛宕山麓に存在した棲霞寺の釈迦堂に、然の釈迦像を安置して
清涼寺を建立しました。

この国宝・釈迦如来像が、生身の釈迦を再現したものであること、
また昭和28年の修理の際に、仏像の胎内から衣を縫い合わせた
実物にかなり近い五臓六腑が出てきたことから
「生身の釈迦」といわれているのです。


清涼寺には、釈迦堂(本堂)の他に阿弥陀堂、
聖徳太子殿、多宝塔や4月に行われる念仏狂言の
狂言台も建ち並んでいます。

また、古くは源氏物語の主人公・源融(みなもとのとおる)が
別荘として住まいをしていた場所ともいわれることから
源融とその子昇の墓も建っているのです。

*写真は清涼寺の仁王門です。両側には十六羅漢像と金剛力士像が
 睨みを利かし、幼い頃のはっちんは恐ろしくて、この門を
 くぐれなかった思い出があります。

嵯峨清涼寺 京都市右京区嵯峨釈迦堂町藤ノ木町46
電 話:075-861-0343
バス停:嵯峨釈迦堂前
涅槃会お松明式は午後8時30分頃に点火します。
見学無料です。