保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

カナダ人家族にみたマナー

2005-03-16 23:24:59 | 船頭
今日の保津川は久しぶりに春を思わせる
暖かい天気に恵まれました。

ここ数日、真冬のような天気が続き
川下りとしては最も厳しい条件での
運航となっていたので、今日は
とても気持ちよく仕事ができた感じがします。


このように川下り日和の天候ではあったものの、
今日は嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車が
運休日ということもあり、比較的
のんびりした営業日となり、
はっちんは最終船まで、出航できなかったのですが・・・

その最終船ではっちんが感心する出来事が
あったのです。

それはカナダから来られた家族連れの
行動にありました。

そのご家族は幼児さんくらいの男の子と
小学生低学年くらいの男の子をつれた
おかあさんと友達らしき女性、日本人の男の人
の5人グループで乗船されました。

子供を除き、みんな片言の日本語が分かる様子で
こちらの説明も比較的理解して頂いたようです。

船が下っている間、お子様たちは本当に
行儀よく、静かに母親の話を聞いているようでした。

そして、船が嵐山に着き、降りられる時です。
自分達の座っていた席の下に、本当に小さな
紙くずが落ちていました。
うっかりすると、見逃してしまいそうな本当に
小さなごみです。

そのごみを見つけた母親が、もうすでに
降りている子供達になにやら小声で話し掛けています。

すると子供達はすばやく船の中に戻り、そのごみを
拾いに行ったのです。

はっちんは「もう、いいですよ。ほっといて下さい」
と話し掛けましたが、子供達は丁寧にその他の席の
ごみまで、拾っていました。

「わざわざ、すいません」というはっちんに、
お連れの日本人男性がこう仰いました。
「いえいえ、お礼には及びません、自分が遊んだ
後のごみや、自分が出したごみはどの様な場所でも
拾って持ち帰るのはカナダでは当然のことですから」と
はっきりした口調で話されたのです。

はっちん、本当に感心しました。
カナダでは、子供に公共の場での
マナーを、親がしっかり躾けされているのですね。

それはそれだけカナダの大人達が子供の見本となる
公共のマナーを身に付けているということの
表れでもあると思います。

国際社会で生きる為には、必ず必要な
マナーを、子供の時から植え付けることは
親として当たり前の教育であるという、
彼らの言葉は、はっちんも耳が痛い思いです。

本当に些細な彼らの行動でしたが、はっちんには
多くを勉強させられた出来事でした。

一昔前は「世界で最も礼節を重んじる民族」と
欧米諸国の人達に絶賛された日本も、今では
どうでしょうか?
世界が狭くなるこれからの時代には、
世界共通の最低限のマナーは必ず、
身に付ける必要性があると確信した一日でした。