今日の保津川は久しぶりにいい天候に
恵まれ、土曜日という事もあり
お客さんの出足も好調でした。
しかしながら、谷を抜ける風の
強さは相変わらずで、気の抜くことの
出来ない一日でした。
私達船頭は、毎日変化する川の条件に
合わした操縦技術が常に求められます。
その中でも、最も操縦が難しく高度な技術を
必要とする自然環境の日が、水量の多い強風が吹く日なのです。
今日がまさにその条件にピッタリ当てはまる日だったのです。
もちろん水量が、運航ぎりぎりの最高水位時の
操縦も気が抜けない事には違いはないですが、
風が吹かなければ、川の瀬、流れを見て、
集中力を高め基本を守っいくこと
でしっかりこなしていく事ができます。
しかし、風、特に強風は非常に読み難いのです。
どちらから吹いている風か?強さはどの程度か?
煽られて、今、どの程度船に影響しているか?
などの状態を瞬時に判断し、的確な処理をする
ことが船頭には求められます。
谷の風は気まぐれです!
北風かと思えば瞬時に南風に変ったり、
切り立った渓谷にぶつかり、風が舞うのです!
保津川下りの船は浅瀬も急流も下れるようと
作られた川専用型の「高瀬舟」です。
高瀬舟の特徴は船底が真っ平ら、平面状の
構造となっているため、川の水面を抵抗無く
滑る構造となっています。
その為、船底と川底が20cm程も間隔があれば
底をすることなく下ることが出来る利点がある
反面、強風に煽られるとブレーキが利かず
流されるという欠点もあるのです。
強風が吹く日の船頭は、この風の向き強度を絶対に
見誤ってはなりません。
「この風の強さならここまで船が動かされるな」という
ことを先読みし、あらかじめこの分を見越したコース取りを
した操縦判断が必要なのです。
この「読み」というのがとても難しいのです。
風の吹いている方向や強度なんて目で見えるものではありません。
自分の身体や頬に当たる風を感じることで「読む」のです。
それは理論や理屈ではありません。
「感じる」という人間に備わった「野生の勘」ともいえるものです。
新人は船の前で棹を差しながら経験を通して学んでいきます。
これは理論じゃない分、厳しい修行で苦しみ悩む毎日でした。
しかし、この難関を越えなくては一人前の船頭にはけっして
なる事はできないし、操縦を任せることは許されません。
棹で風を読めるようになってはじめて、船の航路の決定権をもつ
「梶」を持ち操縦することを許されるのです。
はっちんも船頭になって10年、何とか風を読むという
野生の勘が備わってきたかな。と思っていますが、
自然は決して侮る事はできません。
日々、めまぐるしく変化する自然環境にこの身を
合わせながら、野生の勘を磨く鍛錬は怠っては
ならないと肝に命じているはっちんなのです。
恵まれ、土曜日という事もあり
お客さんの出足も好調でした。
しかしながら、谷を抜ける風の
強さは相変わらずで、気の抜くことの
出来ない一日でした。
私達船頭は、毎日変化する川の条件に
合わした操縦技術が常に求められます。
その中でも、最も操縦が難しく高度な技術を
必要とする自然環境の日が、水量の多い強風が吹く日なのです。
今日がまさにその条件にピッタリ当てはまる日だったのです。
もちろん水量が、運航ぎりぎりの最高水位時の
操縦も気が抜けない事には違いはないですが、
風が吹かなければ、川の瀬、流れを見て、
集中力を高め基本を守っいくこと
でしっかりこなしていく事ができます。
しかし、風、特に強風は非常に読み難いのです。
どちらから吹いている風か?強さはどの程度か?
煽られて、今、どの程度船に影響しているか?
などの状態を瞬時に判断し、的確な処理をする
ことが船頭には求められます。
谷の風は気まぐれです!
北風かと思えば瞬時に南風に変ったり、
切り立った渓谷にぶつかり、風が舞うのです!
保津川下りの船は浅瀬も急流も下れるようと
作られた川専用型の「高瀬舟」です。
高瀬舟の特徴は船底が真っ平ら、平面状の
構造となっているため、川の水面を抵抗無く
滑る構造となっています。
その為、船底と川底が20cm程も間隔があれば
底をすることなく下ることが出来る利点がある
反面、強風に煽られるとブレーキが利かず
流されるという欠点もあるのです。
強風が吹く日の船頭は、この風の向き強度を絶対に
見誤ってはなりません。
「この風の強さならここまで船が動かされるな」という
ことを先読みし、あらかじめこの分を見越したコース取りを
した操縦判断が必要なのです。
この「読み」というのがとても難しいのです。
風の吹いている方向や強度なんて目で見えるものではありません。
自分の身体や頬に当たる風を感じることで「読む」のです。
それは理論や理屈ではありません。
「感じる」という人間に備わった「野生の勘」ともいえるものです。
新人は船の前で棹を差しながら経験を通して学んでいきます。
これは理論じゃない分、厳しい修行で苦しみ悩む毎日でした。
しかし、この難関を越えなくては一人前の船頭にはけっして
なる事はできないし、操縦を任せることは許されません。
棹で風を読めるようになってはじめて、船の航路の決定権をもつ
「梶」を持ち操縦することを許されるのです。
はっちんも船頭になって10年、何とか風を読むという
野生の勘が備わってきたかな。と思っていますが、
自然は決して侮る事はできません。
日々、めまぐるしく変化する自然環境にこの身を
合わせながら、野生の勘を磨く鍛錬は怠っては
ならないと肝に命じているはっちんなのです。