日頃、生活していると、当たり前になって
気がつかない事って結構あるものですね。
私達、船頭の仕事も意外に同じかもしれません。
切り立った山々、岩を噛む激流などの雄大な自然
も毎日見ていると当たり前になり、その良さを
感じる感性が鈍り、本当の保津川下りの魅力に
気が付かないことがあります。
先日、この様な体験をしました。
その日は、初夏を思わせる日差しに涼やかな
谷風が吹き、気持ちいい川下り日和。
最前列にはシニアの方々のグループが座られました。
最初、最前列に座られたら川のしぶきが掛かったり
急流を落ちていく時にビックリされないか、
私達は心配しましたが、本人さん方は全く気に
止めないご様子。
急流で川水が顔に飛んできても「おお~凄いな~」
「涼しくて気持ちいいわ~」とご満悦です。
船が急流の難所を抜けて、緩やかな渕に入った時です。
最前列の老人が「わしらの歳になると、この様に
動く渓谷の景色を、ゆっくり見て眺める事は
なくなったな~」とぽっんと仰ったのです。
その言葉を聞き逃さなかったはっちんは、
櫂を引きながら、その老人に問いました。
「景色を眺めることがないってどうしてですか?」
すると老人は諭すようにゆっくりした口調で
「歳をとるとな~足が弱るんや、山深い所や
雄大な景色の所は歩いてはもう無理や、
遠くなったわ~行動範囲は少なくなるの~」
と仰るのです。
「けど、ドライブするとかあるじゃないですか?」と
とんちんかんな質問をするはっちん。
老人は小さく微笑みながら
「車は箱の中やろ、スピードも速いし、
直に自然には触れてるって感じやないし、
それにカーブとかあって長時間はしんどいわ!」
と答えられました。
続けて「その点、保津川下りはいい!こっちは座っている
だけで、雄大な自然の景色が次から次へと見られるのやから」
と嬉しい感想もまで。
「そうか、保津川下りにはそういう楽しみ方があったのか?」
と改めてそのお客さんに教えて頂いた様な気がしました。
私達の年代では、気が付き難い事ですが、
シニア世代にとって、山深い渓谷の景色を
のんびり腰掛けながら眺めて進む川下りは
自然を体感できる格好のレクリエーション
といえるでしょう。
日々の仕事に慣れてしまい、ややもすると忘れて
しまいがちな、保津川下りのかけがえのない魅力。
私はっちんも、常に「お客さんの目線にたったサービス」
を心がけ日々精進しているつもりですが、まだまだ甘いです。
これからも多くの人々のふれあいの中で、
本当に求められる保津川下りの魅力とは何か?
を真剣に追い求めたいと決意した出来事でした。
気がつかない事って結構あるものですね。
私達、船頭の仕事も意外に同じかもしれません。
切り立った山々、岩を噛む激流などの雄大な自然
も毎日見ていると当たり前になり、その良さを
感じる感性が鈍り、本当の保津川下りの魅力に
気が付かないことがあります。
先日、この様な体験をしました。
その日は、初夏を思わせる日差しに涼やかな
谷風が吹き、気持ちいい川下り日和。
最前列にはシニアの方々のグループが座られました。
最初、最前列に座られたら川のしぶきが掛かったり
急流を落ちていく時にビックリされないか、
私達は心配しましたが、本人さん方は全く気に
止めないご様子。
急流で川水が顔に飛んできても「おお~凄いな~」
「涼しくて気持ちいいわ~」とご満悦です。
船が急流の難所を抜けて、緩やかな渕に入った時です。
最前列の老人が「わしらの歳になると、この様に
動く渓谷の景色を、ゆっくり見て眺める事は
なくなったな~」とぽっんと仰ったのです。
その言葉を聞き逃さなかったはっちんは、
櫂を引きながら、その老人に問いました。
「景色を眺めることがないってどうしてですか?」
すると老人は諭すようにゆっくりした口調で
「歳をとるとな~足が弱るんや、山深い所や
雄大な景色の所は歩いてはもう無理や、
遠くなったわ~行動範囲は少なくなるの~」
と仰るのです。
「けど、ドライブするとかあるじゃないですか?」と
とんちんかんな質問をするはっちん。
老人は小さく微笑みながら
「車は箱の中やろ、スピードも速いし、
直に自然には触れてるって感じやないし、
それにカーブとかあって長時間はしんどいわ!」
と答えられました。
続けて「その点、保津川下りはいい!こっちは座っている
だけで、雄大な自然の景色が次から次へと見られるのやから」
と嬉しい感想もまで。
「そうか、保津川下りにはそういう楽しみ方があったのか?」
と改めてそのお客さんに教えて頂いた様な気がしました。
私達の年代では、気が付き難い事ですが、
シニア世代にとって、山深い渓谷の景色を
のんびり腰掛けながら眺めて進む川下りは
自然を体感できる格好のレクリエーション
といえるでしょう。
日々の仕事に慣れてしまい、ややもすると忘れて
しまいがちな、保津川下りのかけがえのない魅力。
私はっちんも、常に「お客さんの目線にたったサービス」
を心がけ日々精進しているつもりですが、まだまだ甘いです。
これからも多くの人々のふれあいの中で、
本当に求められる保津川下りの魅力とは何か?
を真剣に追い求めたいと決意した出来事でした。