保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川下りで、岩つつじの植付け作業が行われました。

2005-06-15 23:05:55 | 船頭
今の季節、保津川を下られるお客さんの目を
楽しませているのが、朱色をした可愛い花・岩つつじです。

今日、保津川ではこの岩つつじを守り、さらに増やそうとの思いから
「岩つつじの植付け」が行われました。

この企画は、亀岡山野草を守る会、亀岡市観光協会、
保津川遊船企業組合の3者が協力して行われるもので、
今年で34回目を迎える、初夏の保津川の恒例行事です。

植付け作業は、保津川下りの船に参加者全員が乗り込み
下りながら行います。
途中、渓谷の岩壁数箇所に船を横付けさせ、
参加者が手作業で、約1,500本の岩つつじの苗を植えていくのです。

植付け方法は、亀岡山野草を守る会が育てたつつじの苗を
土と水コケで包み、生育に適した場所を慎重に選びながら
一つ一つ丁寧に岩の割れ目に植え付けていくのです。
 
保津川渓谷ではこれまでに、延べ約5万本の岩つつじを
この様な複植方法で植え付けてきましたが、
洪水が多い保津川では、毎年の増水で折角植え付けた
苗が流されるなどして、実際には全体の約2割程度しか
根付かない厳しさです。

でも「あの可憐で可愛い朱色の花で、この川縁を
埋め尽くしたい!」という熱い思いで、参加者方は
毎年、挫けることなく頑張って取り組んで頂いてます。

昔、洪水で種が流されたり、鳥が運んで来て根付いた
という大変珍しい保津川の岩つつじを今度は人の手で守り、
後世に残していこうという参加者方の熱い思いには
本当に頭が下がる思いです。

毎年、保津川を岩壁を可憐な朱色で彩る岩つつじは
この様な花を愛し環境を大事にする、人々の熱情に
支えられていることを私達船頭も決して忘れては
ならないと思っているところです。