保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

PC、復活も、雹(ひょう)が降る大変な週末!

2005-06-05 23:46:45 | 船頭
今日、クラッシュを起こして始動停止になっていた
我が家もPCが復活しました。

PCは他の電化製品とは異なり、一度故障すると
修復がかなり困難ですね。

PCがクラッシュしてこのブログを更新できなかった
間に、保津川下りでは色んな出来事がありました。

まず、驚いたのが昨日の雹(ひょう)混じりの
激しい夕立です。

朝の天気予報で、昼から夕方に掛けて雷雨を伴う
激しい夕立があるとのことでしたが、まさかあれ程
激しいものとは、私の想定の範囲を越えていました。

はっちん達がその日、二回目の出航となったのは
午後の1時頃でした。
まだ、辺りの空は青空が広がり、厳しい日差しが
照りつける空模様でした。

川下り航路も終盤に近づいた頃、急に辺りが
薄暗くなってきたことに気付き、空を見上げると
濃い灰色をした厚い雲が一面に広がり出してきたのです。

今までの経験上、空がこの様な状況になると、
夕立がやって来るのはもう時間の問題です。

今にも降り出しそうな空模様に、私達船頭の仕事の手も
自然と速くなります。何とか降り出すまでに
逃げ切らなくてはならないからです。

渓谷の空に広がる灰色の雷雲を、背後に見ながら
終着地の嵐山を目指し押し下っていく、船一隻。

とうとう、稲光とともに雷鳴も響き出します。

降り出すと一瞬です。屋根の準備も整えます。

そうこうしてる間に、渡月橋が見えてきました。
ゴールはすぐそこ。夕立もすぐそこまで来てます。
「もう少し、降るなよ」祈る気持ちで、仕事の手に
力を入ります。

船は降りだす前に、着船場の桟橋に到着しました。
お客さんの顔にも安堵の表情が広がります。
「さすが、精進のいいお客さんばかりですね。」
「降りだす前に着きました」とはっちんが話すと、
お客さんの中から自然と拍手が起こりました。

直径10cmもある雹混じりの激しい夕立が、
降り出したのは、私達がJR嵯峨嵐山駅に着いた時でした。

私達の後から来る船は皆、この激しい夕立の
真っ只中にその身を晒されていたようです。

あまりにも激しい突風と雨に、船を川岸に着けて、
夕立が過ぎ去るのをじっと待ったそうです。

自然は瞬時にその表情を変え、猛威となって
容赦なく私達に襲ってきます。

その中を私達船頭は、自然に逆らうことなく
素直に合わせる術を学んでいきます。

それが、自然の中で生きる私達船頭の掟なのです。

*雷雲立ち込める嵐山の空
 亀岡では雹がふり、トタン屋根に穴が
 開くほどの激しさでした。