保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川下り、今日400年目の仕事始めに思う・・・

2006-01-05 20:49:03 | 京都情報
京都の保津峡~嵐山間を流れる保津川
を下る川下り・保津川下りでは今日、
創業400年目となる仕事始めが行われました。

保津川下りは、慶長11年(1606)嵯峨の
豪商であった角倉了以翁により、川の開削が
行われて今年で400年目に当る年を迎えます。

保津川が流れる京都は、この冬でも
もっとも強い寒波の影響もあり朝から
冷たい風が吹く寒い一日となりましたが、
記念の年の仕事始めとなることもあり、僅か
ではありますが、全国からお客さんが
お越し下さいました。

保津川下りでは今の季節、冬季船という
囲い付き暖房船を運航しておりますが、
例年1月~2月はこの寒さに加え嵯峨野観光鉄道も
休業することから、来客数が年中で最も減少する
時期であり、とても静かな仕事始めとなりました。

この時期の保津川は、春や夏、秋に見られるような
華やかでイキイキとしたダイナミックな渓谷の風景と
いうよりは、賑やかだった祭りの後を思わせるような、
少し寂しげな静けさと落ち着きを漂わす雰囲気が
渓谷を包み込んでいるようです。

その空間の中を一隻の船が、櫂を引く音だけを
渓谷内に響かせ、粛々と下ってゆく時の中に
‘冬’という季節を実感することができるのです。

‘自然の中で生きる’ということの‘意味’を
知る瞬間でもあります。

400年いや、筏の頃も入れると1200年以上
もの長い年月、多くの人の人生と共に、流れ続けて
いるこの保津川。

日常の多忙さや街の喧騒から暫し離れて、
静寂の大自然の中で自分という人間と向き合い、
見つめ直す、そんな‘自分探し’の旅をしに
冬の保津川を訪れてみるのもいいかもしれませんよ・・・