散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

東京出張ふたたび(11)

2013年04月26日 10時54分19秒 | ART
昨日は仕事がらみの懇親会があったために帰られなかったのだ。従って、今日は移動日になってしまい、慌てて帰って仕事をするのも何だからという理由で休暇にしてしまったのも、私のせいではないのだ。

ということで代わりばえのしない朝食。新聞サービスなのは嬉しい。



まずは神谷町に移動して大倉集古館「大倉コレクションの精華1-中世・近世の絵画-」を見る。いや、その前に大倉集古館の建物と門前が既に凄い。

 

 



 

 



大倉さん、どうもありがとうございます。



冷泉為恭「山越阿弥陀図」:山河の上からのほほーんと阿弥陀がお出まし。おめでたい図だ。
「随身庭騎絵巻」:国宝。武芸に秀で、容貌・立ち居振舞の美しい者たちの絵巻。しかし、どうもヒゲ・出歯・デブ(特定の容姿を否定するものではありません)の男たちが目につく…
「酒飯論絵巻断簡」:酒好き、下戸で飯好き、両方好きな3人が酒と飯のどちらが上かを議論しているバカバカしい図。厨房内の料理シーンも描かれているのがいい。

「名将肖像図帖」:北条早雲、豊臣秀吉、太田道灌、山本勘介(片目だ)、織田信長(目がキツイ)、伊達正宗(片目だ)等
「一の谷合戦絵巻」:逆落としの図。弁慶が長刀を持って描かれている。
「虫太平記絵巻」:頭に蛇、ゲジゲジ、トンボ、クモ、カタツムリ等を付けた虫人間たちが登場。歌を歌う女は鈴虫だったりする。

安藤広重「飛鳥山・隅田川・佃島図」:かなり淡い色彩で描かれた作品で、浮世絵では、赤や青がきりっと目立つ印象だが、かなり違う雰囲気。
「如来立像」:5~6世紀の中国北魏時代の石仏。古典的な中国顔が特徴。いつ頃伝わったのだろう。
「普賢菩薩騎象像」:国宝。12世紀の作品で、思ったより大きい。象の頭からしっぽまで1m弱はあるだろうか。普賢菩薩の整った顔で一心に祈る姿がいい。これ、見たかったんだよね。

2階のテラスから。





歩いて泉谷博古館分館へ。六本木近くとあって、巨大なビルが立ち並ぶ。





テーマ的にはそれほど興味のない「特別展 住友グループ秘蔵名画展-花-」だが、歩いてすぐなのだ。見ない手はあるまい。



岡鹿之助「捧げもの」:花が顔のようにこちらを向いている。不思議な感性だ。
小倉遊亀「紫キャベツの静物」:キャベツを入れた鉢の外と内がクラインの壺のように連続して見える。
速水御舟「茄子」:葉っぱにも紫色が混じり、光のあたる陽の部分と陰の部分が対象的だ。

岸田劉生「冬瓜之図」:冬瓜の周りの完全な空白が目につく。
福沢一郎「花」:色彩を情熱的にぶつけた作品。彼にしては珍しいのでは。
小磯良平「牡丹」:緑の葉を背景に、ポーンと真っ赤な花を描いた作品。いつも思うが、上手いわ。

中川一政「椿」:だって俺の眼にはこう見えるんだもん派。
林武「花」:花以外の壁、花瓶、花瓶を置いてある台、葉っぱが全て緑。難しい技である。
毛利武彦「薔薇」:現代の作品とあって、エッジの効いた花だ。
アンドレ・ボーシャン「野花」:一瞬、ルソーかと。いやいやボーシャンだよね。

同一テーマで違う作家の作品を見ると、眼力がアップするような気がする。ここでも冷たいお茶で休憩。お茶サーバーは嬉しいな。



ここから六本木交差点の方向へと向かう。


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