魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

日本産魚類検索第三版

2023年01月12日 14時52分05秒 | 書籍

ことし2023年、登場10周年を迎える「日本産魚類検索」ですが、困ったことにアマゾンでは本日(2023/1/12)726400円という超高額で販売されているとか(外部リンク)。10年前の本ですが、現在でもなお重要な書籍であるため、歴史的な価値よりも有用性が高い。そのため高額転売などは避けて誰でも手に入るようにしてほしいところであります。

これは購入当初のもの。カバーがついていて美しいですが現在はカバーは外されていて中身もぼろくなっています。ですから72万の価値はありませぬ...。あと欲しい魚いるんですが25000円で手が出ません、どないしよ。

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いきもの六法を読んで思ったこと

2022年04月08日 22時45分34秒 | 書籍

つい最近こんな本が出版されたので購入してみた。いきもの六法という本である。

いきなり5ページ目に「『愛好家の採集を規制するよりも、環境破壊を規制しろ』という意見もあります。おっしゃるとおりですが、それでも、それらの法律を守ることが、私たちが今後も生き物との豊かな関係を維持して楽しむために必要だと思います」とあり、いきなり環境破壊軽視発言が登場。実際に採集が規制され、禁止されるだけで生物多様性保全にとって大いなる脅威となっている開発についてはほとんど何もない。確かに法は守らなければならないが、はたしてその法はだれが作ったのだろうか。考えなければならないだろう。この本の著者中島慶二はもともと環境省の人間であり、法で愛好家を縛る立場の人間であるということを忘れてはならない。

さらに種の保存法の項目では「絶滅危惧種を守るためどんどん指定種が増えている」などとしているが、なぜどんどん指定種を増やしているのか。ということになるだろう。確かに愛好家に人気の高い種で乱獲により姿を消しつつある種も多くいるが、多くが開発で姿を消しているのに、その生息場所のそばまでメガソーラーを立てたりしてるし、石垣島に至っては希少な生き物の宝庫である場所が多大な悪影響にさらされるようなところにゴルフ場が建設されようとしている。はたして、法律とは何なのだろうか。条例とは何なのか。そして何のために守るべきなのだろうか。環境省など行政はそこのところを本当に勘違いしているように思える。

中身については、ただ法律や条令のことについて詳細に記述しているのではあり、丁寧ではあるのだが、上記のこともあり、私はこの本についていかがわしさを感じた。結局、環境省の考える「生物多様性保全の重要さ」の押し付けにしかなっていないと感じた。

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最近購入した本

2021年06月27日 21時05分36秒 | 書籍

 

最近3冊の本を購入。

この日本産ヒラメ・カレイ類は5月に購入。この間ご紹介したキシュウダルマガレイの同定に必要となり急遽購入することになった1冊。薄っぺらい本だが日本産のヒラメ・カレイ類(ウシノシタ科およびササウシノシタ科をのぞく)が全種網羅されていた。分類(属)の変更も興味深い。ただ定価で18000円なのに本自体はあまり厚みがなかった。

こちらは フカマルの興奮から一夜明けた6/7にブックオフで購入した2冊。「ザ・サンゴ」と「ほぼ命がけサメ図鑑」。「ザ・サンゴ」のほうの「ザ・●●」シリーズでは海水魚も持っていたが、またほしくなった。ただ「ザ・サンゴ」のほうは定価(3200円)であれば買わなかったと思う。もう一方はシャークジャーナリストの沼口氏による本で比較的安価ながら読み応えがあった。

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小学館の図鑑Z 日本魚類館

2018年04月18日 10時36分09秒 | 書籍

先週イーアスつくばの中の本屋で購入してきました(このあたりでは一番の品ぞろえの本屋さん)。「小学館の図鑑Z 日本魚類館」という本。A5変形だが、大変分厚く読みごたえがある一冊である。

この6900円の本の購入に簡単に踏み切れたのは、まずほかの方からもお聞きしていたのだが、1.ヨシノボリの混乱の解消、2.サケビクニンのコンプレックスの掲載、の二つである。1.は千葉県産の某ヨシノボリと滋賀県産の某ヨシノボリのふたつが消滅し、トウヨシノボリの名称が復活していた。2.についてはトゲビクニンとアオビクニンが復活したが、復活して以降日本語で読める最初の図鑑になったかもしれない。

ほかにも学名についても最新の知見が見られる。特にエイ類で顕著で、これは日本魚類学会の「シノニム・学名の変更」でも触れられているが、個人的にはウシエイがこれほど広い範囲に生息しているとか、ホシエイが南半球にも生息しているとは思わなかった。そのほかにもいくつかの学名が変更されていたりする。ソウシハギの解説文に「温暖化の影響」というマスコミによるお馴染みのワーソが掲載されておらず、安心して読める本となっている。

ただしこれほどまでに分厚い本であっても収録されている種数は1417種にとどまる。膨大な量の解説や各部位の写真のため仕方がないところもあるのかもしれないが。日本にも大量に分布するスズメダイの仲間の収録種数が少ない(わずか4ページ)なのは残念だ。それでもこの本をおすすめしない理由はない。ちょっとお値段は高めだが。

次回はこの本に掲載されていた、あるスズキ目の魚の話を(亜目まで書いたらばれそうだ)。

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最近の古書

2018年04月17日 21時08分15秒 | 書籍

矛盾したような題名ですみません。最近は「古書」を購入することが多いのです。古い本の中にも新しい、新鮮な知見も多く見られます。

●原色魚類大圖鑑Ⅱ (北隆館 1958年)

昭和33年の本。西暦に直せば1958年で、筆者の両親が生まれた年である。この図鑑に掲載されているのは魚類とホヤなどのグループである。著者は冨山一郎・阿部宗明・時岡 隆氏。前のおふたがたは魚類のスペシャリスト、時岡氏はホヤなど原索動物の専門家ということである。

魚の目は「横口目」や「硬骨目」「全頭目」など6つしかなく、現在の分類とはだいぶ異なっているように見える.しかし本の情報量自体はいまの図鑑よりも多いかもしれない。魚の別名なども掲載されていて、参考になる。

本の中には1958年の本であるにもかかわらず、カラー写真もある。それは熱帯魚のページであるが、海水魚のカクレクマノミもあった。しかもその解説には「淡水に順化させることができる」などとあるが、本当なのだろうか。分布域には「琉球」などとあり、ほかの熱帯魚もいまの国名・地域名とはだいぶ異なっているのが印象的である。

日本近海の魚は絵がほとんどであるが美しい。ニジハギやセナスジベラなど、当時のイラストとしては最高峰であったのかもしれない。最近の図鑑は写真を切り抜いたものが主流であるのだが、このような絵の図もまた素晴らしいものである。この本は古本屋さんで購入したものではなく、いただきものである。感謝したい。

●海水魚の飼い方 (ひかりのくに、1974)

こちらは当時としては画期的だったと思われる海水魚の飼育本。ひかりのくには児童向けの本を作っている会社ということで、書籍の中には専門的な内容に混じり、児童向けの本に出てきそうな魚の挿絵が出てくる。この挿絵もとてもかわいい、お気に入りのものなのだ。

内容は最初の40ページくらいがカラーで魚や無脊椎動物の紹介、それ以降はモノクロで魚類の採集、飼育の紹介。とくに磯採集の項目にも多くのページが費やされている。ほかには網の作り方やいけすの作り方、さらには二連球を使用した運搬方法など。とくに網やいけすの作り方は、一般人の磯採集では使えるようなしろものではないものまで紹介されており、今見ても色あせることがない。さらには「巻貝の貝殻を飾りにつかうのはなるべく避けるべき」とか、ポップアイ(眼突出)の防ぎ方、遊泳性のサメ「ツマグロ」の運搬方法、魚の手術方法まで、何から何まで現在の観賞魚の本とは全く違う、まさにマニアック、いや水族館むけの一冊といえるだろう。それもそのはず、著者 杉浦 宏氏は当時上野動物園水族館で勤務されていた方である。

今回購入した「海水魚の飼い方」には、前にこの本を所有していたユーザーの方のメモ書きも残されていた。それで昔は海水魚がどのような場所で、どのような値段で販売されていたかをうかがい知ることができた。デパートの屋上には昔は熱帯魚の売り場が数多くあったものだ。確かに私も昔むかしに親につれていってもらったように思う。

アクアリストの方にはこの本は可能であればぜひ手に取ってほしい。古書を扱うお店であればいまでも購入できるはずだ。

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