我が家にハナビラクマノミがやってきたのと同じ7月22日に、もう1種類、新しい魚がやってきたのでした.ハゼ科のオニハゼという魚。
これまでテッポウエビと共生するハゼはクビアカハゼ、ヒレナガネジリンボウ、ハチマキダテハゼ、メタリックシュリンプゴビーなどいろいろ飼育してきたがこのオニハゼは初めて飼育する種類である。また種類としてだけでなく、これほど大きい(10㎝弱)の共生ハゼを飼育するのも今回がはじめてである。
オニハゼお仲間は口がやや大きめで顔がいかつい。オニハゼと同じ属のヒメオニハゼなんかも小さい割には口がでかい。しかしなかなか口を大きく開けるシーンには遭遇しなかった。背鰭は丸い形状で、背鰭第1・2棘が伸びるヒメオニハゼと見分けることができる。英語名ではモンスターシュリンプゴビーというらしい。
日本産オニハゼ属魚類は「日本産魚類検索」の第二版では本種とヒメオニハゼの2種だけが掲載されていた。第三版ではホタテツノハゼ属に含まれていたホタテツノハゼ、その後日本から記録されたウシオニハゼ、オニツノハゼの3種、さらに従来ヤツシハゼ属のものとされたヤジリハゼの計4種が加わり6種となっている。オニハゼは国内では千葉県館山~琉球列島、島根県、長崎県などに分布し温帯の環境にも適応している。従来は日本特産とされていたが、フィリピンやインドネシアにも分布していることが分かっている。近年は観賞魚店でたまに入荷しているのを見るが、これはおそらくインドネシア産であろう。今回は千葉県産でKGKK氏(昨年高知へご一緒していただいた)により採集された個体。ありがとうございました。
ハゼの仲間は到着してすぐ餌を食うものが多いが、このオニハゼはそうではなかった。なかなか餌を食べようとしなかったのだ。魚本来の生活様式にできるだけ合わせて飼育するのが魚の長期飼育の秘訣といえる。このオニハゼは共生ハゼなので、当然テッポウエビ類との共生させるのがベスト。しかしなかなか本種と共生するような大き目のテッポウエビの仲間は販売されていない。ようやく群馬県のチャームでよさげなサイズのテッポウエビを発見、購入した。
その後ようやく7月29日にクリル(乾燥オキアミ)を口にしたことを確認。安心。いずれにせよ何か食べる餌があればそれを中心に与え、じょじょに配合飼料に慣らしていくという方法が使える。長期飼育を目指したい。