2010年に磯で採集し、それからずっと我が家で暮らしてきたヤエヤマギンポ。
残念なことに今日、お亡くなりになってしまいました。
あちらこちらへの引越しの際常に一緒にいて様々な地域の水を泳いだこの子。お別れがつらいです。ありがとう。
2010年に磯で採集し、それからずっと我が家で暮らしてきたヤエヤマギンポ。
残念なことに今日、お亡くなりになってしまいました。
あちらこちらへの引越しの際常に一緒にいて様々な地域の水を泳いだこの子。お別れがつらいです。ありがとう。
前回同様、アンコウの胃や口の中から登場したゲストの魚たちのご紹介。今回が最後になります。
まずはタマガンゾウビラメ。ヒラメ科の仲間は鱗が細かく、胃内容物や口腔内から出てきたものでも、底曳網で漁獲されたものと同じように、鱗がはがれていたりします。この種は鰓耙の形状や臀鰭軟条数、あるいは背鰭の軟条の形などでほかの日本産ヒラメ科魚類と区別することができます。タマガンゾウビラメ、といえば有眼側に5個ほどの目玉模様があるのも特徴なのですが、この個体では消えてしまっています。写真の個体は体長10cmもない幼魚で、成魚は20cmくらいになります。
オニゴチはコチ科アネサゴチ属の魚です。アネサゴチ属の魚は日本には3種類が分布し、このオニゴチはその中では最もよく目にするものといえるでしょうか。アネサゴチも大陸棚砂泥底に生息するようですが、アネサゴチのほうがやや深い場所(水深150mまで)に生息しているようです。写真からもお分かりのように頭部がかなり大きく眼も大きくかわいい魚です。
オニカナガシラはホウボウ科カナガシラ属の魚です。カナガシラ属は日本に11種が分布していますが、私が見たのはイゴダカホデリ、トゲカナガシラ、カナド、カナガシラ、そして本種の計5種のみ。オニカナガシラを見たのはこれが2回目で、最初に見たときもやはりアンコウの胃の中から出てきたのを見たのでした。
オニカナガシラの胸鰭の内側。黒色域がありその中に青白い斑点があるのはカナドに似ていますが、胸鰭縁辺の色彩はやや異なっています。カナドは鰭の縁辺に赤みがありますが、本種では青っぽい色になります。
こちらがカナド。これは八幡浜の沖底(海幸丸)で漁獲されたものです。オニカナガシラとはよく似ているものの背鰭第2棘が長く伸びるのが特徴的です。カナドについては以前別の記事でも書きました。分布域はオニカナガシラよりもカナドのほうが広く青森県から九州まで。オニカナガシラは新潟県および千葉県銚子沖から九州南部にまで生息しています。
最後にアンコウの胃の中から出てきたわけではないのですが、ウシノシタ科のイヌノシタ。これは発泡スチロール単位で販売されている魚市場、とある発泡スチロールの中にこの魚がほかの魚と一緒に入っていました。私が「この発泡の中のシタビラメも買いたいのですがよいでしょうか、できればこのシタビラメだけ買いたいのですが...」と質問しますと優しい市場の方は丁寧に対応していただいたのでした。西日本の太平洋側や瀬戸内海側では比較的よく見られる種類ですが、アカシタビラメと混同されていることも多いようです。このイヌノシタもアンコウと一緒に唐揚げにして食べましたがとても美味しいものでした。もちろん焼き物やムニエル、バター焼きでも美味しいでしょう。
前回ご紹介しました八幡浜産アンコウの口腔内ゲストの続き。アンコウの口や胃袋からは色々な魚が出てきます。
このネズッポ科の魚はホロヌメリという種です。写真の個体は雄で非常に大きく、派手な第1背鰭が特徴です。雌は第1背鰭が小さく、鰭条も雄ほど伸びません。
例によって以前に小型底曳網漁業で漁獲された個体。このころは鰭をたてることすらろくにできていなかった。ネズッポ科の魚はヒゲトラギスと異なり鱗はなく、鱗がはがれていない状態で写真を撮りやすいともいえますが、背鰭などはぼろくなっている場合があります。底曳網漁業では本種のほかに浅めの場所ではネズミゴチやトビヌメリなどが採集され、水深70mほどの場所ではヤリヌメリやヨメゴチなどが入ります。とくにヨメゴチは結構多いものでした。さらに深場の海底ではソコヌメリやトンガリヌメリが採集されます。またベニテグリも水深150mほどの場所で漁獲されます。
前回のモヨウモンガラドオシの件で少しだけご紹介したイタチウオさん。このイタチウオたちを持ち帰り食することにしました(写真左下2匹)。
昨年8月に宿毛の魚市場で上がったのは唐揚げと焼き物でいただいたのですが、今回は刺身で食べてみることに。
イタチウオはタラの仲間などと同様に結構身が柔らかめですが、薄く切ることができました。これをお皿にきれいに盛り付けして、完成。写真で2個体分。雌の個体だったので、卵もゆでて並べてみました。肝も食べられ、今回は肝醤油。
もう1種。
最初の写真で一番上のほうに大口を開けて写っていましたホウライヒメジさん。この魚は強いグレ用の竿を危うく沈めそうになるくらいの強い引きでした。最初マダラエイでもかけたかと思いましたが、こんな魚らしいルックスの子が^^
こちらはホウライヒメジの刺身。ホウライヒメジは過去にも釣ったことがあるのですが、これほど大きなものが釣れたのは初めてでした。刺身はイタチウオもホウライヒメジも美味しく満足でした。どちらがよかったかといえば、イタチウオのほうでしょうか。イタチウオはそのまま刺身でも甘味があり、しかも食感もよくヨロイイタチウオなどとはかなり違っていて驚きでした。肝醤油の味わいもよい感じでした。卵も食べましたが、これは味はないのでした。
また行きたいです。
最近愛媛の宇和島に行く機会があり、その帰りに八幡浜に立ち寄ったのでした。八幡浜では以前お世話になった昭和水産の宮本さんとお会いでき、わずかではありましたが、とても楽しい時間をすごさせていただきました。ありがとうございました。この日は残念ながら入港がなかったのですが、トロール市でイカを食べたのでした。
その後、近くの魚市場の施設に立ち寄ってみますと、アンコウが安価で販売されていたので(10匹くらい入っていて800円ほど)購入してみました。キアンコウに比べて小型のアンコウは、別に「つるし切り」のような大掛かりのものでなくても、調理ばさみと包丁さえあれば簡単にさばくことができます。もちろん食する前には肝を絶対に傷つけないようにしなければなりません。特に鍋の場合は。
アンコウは水の中で撮影するときれいに皮弁なども撮影することができます。写真はこの魚が入っていた発泡スチロールの魚函に水を入れて撮影したもの。ピンを使って胸鰭と尾鰭を固定していますが、フォルマリンなどは使用しません。以前(2009年ごろ)と比べて、とてもきれいな写真になりました。
アンコウをさばくと口や胃の中から魚がきれいな状態で入っていたりします。アンコウが食いしん坊であるだけでなく、口が大きいので網を巻き上げるときにほかの魚が口の中に入って行ってしまう、なんていうこよもあるようです。写真の魚はヒゲトラギスという、スズキ目ホカケトラギス科の魚です。ホカケトラギス科とはあまり聞きなれない名前ではありますが、水深100mより深い海に生息し、底曳網漁業でたまに見られるものです。ヒゲトラギスはその仲間でも多いほうです。と書こうと思いましたが実は2回しか遭遇したことがないような。まああとの種は1回しか見たことがありませんので…
これが前回のヒゲトラギス。確か前に記事を書いたはずなのですが、なかなか出てこなかった(見つけました、この記事です)。これは底曳網で直接採集されたもので今回の記事のものの個体と違い鰭がぼろぼろです。結構派手な個体です。雄でしょうか。
ヒゲトラギスの名前の由来は吻端の「ひげ」ですが、今回アンコウから出てきた個体にはそれが見られません。ひげは雄にのみあるようです。実際にこの個体は雌であり、よく発達した卵巣を持っていたのでした。頬の部分にも鱗があり、この特徴によってホカケトラギスと見分けられるようです。ホカケトラギスは雄の第1背鰭が糸状に伸長し大変美しいのですが、実物は見たことがありません。憧れの種です。よく似たフタホシヒゲトラギスは雄の鰓蓋に暗色斑があること、背鰭・臀鰭軟条数がそれぞれヒゲトラギスと比較して多いことで区別できます。