最近イットウダイ科の写真記事が続きましたが、今日はまた別の種類を。
冬の鍋物はもちろん、薄造り、焼き物、煮つけなど、なんでも使える優等生。
カワハギ科のウマヅラハギです!
頭部にある「ツノ」(背鰭棘)は実際にはもっと長いのですが、この個体では残念ながら折れてしまっていました。ウマヅラハギといえば比較的ポピュラーな食用魚ではありますが、なぜか下関の魚市場でトロ箱に入っていた個体しか私のぶろぐでは紹介していなかったのでした。分布域は北海道から東シナ海までとかなり広域に及びます。漁法は沖合底曳網や定置網などで漁獲されていますが、釣りでゃあまり歓迎されていないようです。今回は富山産の個体。
ウマヅラハギのそっくりさんにキビレカワハギという種類の魚がいます。キビレカワハギはウマヅラハギよりもやや南の温暖な海域に多いといわれ、四国沖や奄美諸島などではよく見られる種です。このキビレカワハギは上記のウマヅラハギと比べて背鰭棘が長いように見えますが、これは先ほど紹介したウマヅラハギの棘が折れてしまっているためである、ということは先ほど述べました。
こちらも画質はイマイチ、なのですがキビレカワハギと思われる個体。背鰭の棘は折られていました。たしかに、この仲間の背鰭棘には鋸歯みたいなのがあって、刺さるとケガしそうです。この個体は先ほど紹介しましたものと同じく高知県産。しかしこちらはトロールではなく釣りもの。この間ご紹介しましたホホベニイットウダイを購入した、宿毛市のすくも湾中央市場にて撮影。
▲ウマヅラハギ
▲キビレカワハギ
この2種は本当によく似ています。見分け方は頭部の様子。ウマヅラハギは鰓孔が眼中央下方にあるのに対し、キビレカワハギではもっと前にあります。また背鰭第1棘も、キビレカワハギのほうがやや前にあるように見えます。このほか、ウマヅラハギでは体側に不規則な斑紋がありますが、キビレカワハギではそのような斑紋がないという特徴もあります。ただし今回の個体のように薄いものもおり、使いやすい同定形質ではないかもしれません。また名前にあるように鰭の色彩もやや違うようです。ウマヅラハギは軟条が緑色っぽく、キビレカワハギはその名の通り黄色っぽい感じ。