奇妙な形状の深海魚であるキホウボウ類。その中でもこのオニキホウボウGargariscus prionocephalus (Duméril)は特異的なルックスの魚です。
オニキホウボウはオニキホウボウ属に含まれる唯一の種です。頭部に巨大な棘を持ち、鰓蓋骨に大きな棘を備え、上顎にのみ歯があるのが特徴です。分布は和歌山県、土佐湾から台湾(台湾産魚類データベースも参照のこと)、フィリピン、スラウェシ、オーストラリアにかけてと分布域は広いのですが、個体数は多くはありません。硬い鱗に覆われており、まるで「プレコ」のようです。
ちなみに「プレコ」とはこんなの↓(種はマダラロリカリア)
この魚は非常に珍しい魚で、あまり見つかっていないようです。この貴重な標本は高知県足摺沖の水深270mからトロールで漁獲されましたが、ベテランの漁師さんの方々もみたことはなかったようです。この個体は耳石を取り出したのち、固定保存されました。
※高知大のほうへと旅立ちました。(2009年8月)