最近このようなニュースがあった。
簡単にいえば、ヤリタナゴには7つの地域的なグループがあるといううが、関東地方(荒川や利根川・霞ヶ浦水系など)のヤリタナゴについては近畿や東海からの移植であったというもの。
ヤリタナゴは準絶滅危惧で懸念は低いとされるが、いくつかの地域では特に河川改修により絶滅が心配される事態となっている。そして減ったから、といってヤリタナゴをペットショップなどで購入して放流すれば残っていた地域的なグループが交雑し、最悪消滅してしまうおそれがある。
アクアリストの間ではタナゴ類を放流する人のことを「放流大好きおじさん」などと呼んでいる。こういうおじさんは自分の住む地域にきれいなタナゴがいることを望むのであるが、基本的にタナゴの類は本州から九州であればほとんどどこでもその地域に在来のタナゴが生息しているからそれを楽しめばよいのである。
タナゴ類をふやしたいのであればタナゴ類そのものや産卵母貝となる二枚貝を放流するのではなく、河川の状態やその地域のタナゴ類を釣ったりして楽しむべきである。そして河川改修反対運動(とくにタナゴ類の産卵に必要な二枚貝の死滅を招く)への参加、オークションなどで販売するための乱獲を非難(タナゴだけでなく二枚貝も)、コイの放流反対運動(二枚貝を含む川底の生き物を捕食し、成長すればするほど吸引力が増す)に参加するなどの活動をするべきである。そうすればいつまでもタナゴ類が河川で待ってくれるはずである。