魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

エイラクブカ

2024年11月28日 16時35分01秒 | 魚紹介

あまりにも忙しくぶろぐを更新できていませんでした。そんな忙しい中ですが、この間、コバンザメなどと一緒に我が家にやってきたサメの一種をご紹介。メジロザメ目・ドチザメ科のエイラクブカ。

エイラクブカについてはかつてもこの「魚のぶろぐ」で紹介したことがある。2011年12月のおわりに愛媛県八幡浜市の沖合底曳網漁業で漁獲され水揚げされたもので、全長70~80cmほどの個体。この年は12月に、エイラクブカとはしばしば混同されているシロザメも見ており、この2種を比較すると、シロザメのほうはエイラクブカよりも顔が短いのかなとも思った。

 

上がシロザメ、下がエイラクブカ

シロザメとエイラクブカは非常によく似た外見をしている。シロザメよりもエイラクブカが細くてスマートなように見えるのだが、この2種の見た目同定は怪しい。とくにこの2種が含まれるメジロザメ目のうち、メジロザメ科・メジロザメ属の魚については横からの写真で同定できる人は絶対に信用してはいけない(ただしヨゴレ・ツマジロ・ツマグロ・スミツキザメはのぞく)。

上がシロザメの歯、下がエイラクブカの歯

エイラクブカとシロザメ、その最大の違いは歯にある。シロザメの歯は小さく鈍いが、エイラクブカの口にはあまり大きくはないが鋭い歯がのぞく。基本的にこの歯の形状というのはどのような生物を獲物として捕食しているかにより異なってくる。シロザメもエイラクブカも主に小魚などを捕食する種であり、食性の違いは大きくはなさそうである。それでも歯の形状が異なっているのは興味深い。エイラクブカはヒトを襲うことはまずない(そもそもやや深場に見られヒトと出会うことは少ない)。しかし釣りあげたときに針を外すのは注意したほうがよさそうである。なお吻の腹面にある黒い小さな点はロレンチニ氏瓶の開口部である。この器官により薄暗い深い海でも獲物を探すことができる。よく見るとシロザメとはロレンチニ氏瓶の分布域が異なる。

エイラクブカはさばいてみて食した。さばく前にはアンモニア臭はそこそこあったが、切り身にして、ムニエルにしたら全く気にならない。美味しく食べられるが、個性はすくなかった。同じドチザメ科のホシザメやシロザメなどは鮮度がよければ刺身でいけるという。日本産のドチザメ科魚類は5種からなるようだが、そのうちの4種を食したことになる。このぶろぐでもドチザメとシロザメを過去に紹介した。あとはホシザメとイレズミエイラクブカであるが、前者は底曳網漁業があるような場所では容易に入手できるであろうが、後者は琉球列島の深海から得られているもので、なかなか入手できないだろう。ちなみにツマグロエイラクブカという種も日本から得られているが、本種はドチザメ科とされたりメジロザメ科とされたりで、文献も見れていないのでここでは省略。

今回のエイラクブカも長崎県のマルホウ水産「魚喰民族」石田拓治さんより。いつもありがとうございます!

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明日で13年

2024年11月27日 16時06分36秒 | 魚介類飼育(海水)

今年1月からどうにもこうにもならず、苦労させられてきたPCの問題。どうもメモリの容量が小さすぎとのことでしばらく入院の予定。写真は我が家の水槽でくらすニシキウズガイ。美しい模様をしていたのですが、飼育しているうちに地味な色に変化してしまうというのが巻貝の残念なところ。後ろに見えるカビラタバサンゴはお気に入りで我が家でも長生きし、かつよく成長しているハードコーラルであり、明日我が家に来てからちょうど13年という節目になるのだ。さて、椎名さんは今日も真岡市内でお仕事です。

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コバンザメ

2024年11月22日 11時36分13秒 | 魚介類を食べる

さて、もう11月も終わりに近くなっている。椎名さんのPCであるHPエリートデスクは最近どうしてもエクスプローラの調子が悪くAdobe Photpshopも重くて開けないことが多くなってしまった。写真はこの間食したコバンザメ。SNSでは「アオヤガラ」と紹介していたのですが間違いでした。ごめんなさい。

内臓は臭いのだが、身の色が非常にきれいであり、これをしゃぶしゃぶにして食べると非常に美味しかった。今回もマルホウ水産 魚喰民族 石田拓治さんより。いつもありがとうございます。短い日記であったが、写真がうまく表示・加工できずこれで失礼せざるを得ない。

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サンゴの成長

2024年11月20日 14時20分04秒 | 魚介類飼育(海水)

 

最近忙しくここ数日更新できていませんでした(なんか同じ事を前も行っていたような気がする)。職場はついに夜の気温が氷点下になりそうな勢い。

2024年11月2日撮影

2024年11月20日撮影

さて、先月10/30に我が家にやってきたサンゴ。センベイサンゴの一種なのですが、かなり元気で成長が早い。土台のプラグを骨格が覆いそうである。センベイサンゴの類は、成長が遅いという話をときどき聞くことがあるが、この個体はあてはまらないようだ。骨格が薄めだからというのもあるのかもしれない。色については来たときよりも濃くなっている。

 

2024年11月20日撮影

横から見るとこんな感じ。センベイサンゴ独特の「葉脈に例えられる模様」が明瞭にでており美しい。一方でその見た目はシコロサンゴを思わせる、変わったサンゴである。やはりエダセンベイサンゴとか、その辺の種なのかもしれない。飼いやすいとはいえ一応はSPSであるため、KHやカルシウム、ストロンチウム、マグネシウムなどには気を付けなければならないだろう。添加剤はレッドシーのものを使用しているが、筆者は粉末状のものを使用している。これだとコストパフォーマンスがよいとのことだ。

2024年11月2日

2024年11月20日

一方サオトメシコロサンゴの成長はセンベイサンゴよりは幾分遅いようである。写真では成長がなかなか感じられない。右側が少し大きくなってきているというところくらいか。この右側は強く照明があたるところである。色については、若干パステル調になっており、美しくはある。早く大きくなってほしいものである。ほかにヤッコアミメサンゴやカワラサンゴ、タバネサンゴなどもいるがこれらの成長は若干遅い感じである。

ヤマブキハゼ

魚はキンセンイシモチのほかにもう1種。10月19日にお迎えしたハゼ科のヤマブキハゼである。ポピュラー種であるが何気に初めて飼育するハゼであり最初は緊張であったが、現在は餌もよく食べている。共生ハゼであり、それと同時に残り餌も食べてくれる愛らしい魚。ほかにヒメダテハゼも別の水槽で飼育しており、我が家のダテハゼ属はこれで2種に。水槽内ではニシキテッポウエビと共生している。

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シモフリシマハゼ

2024年11月15日 08時57分13秒 | 魚介類飼育(汽水)

PCの調子がおかしく、今日はイラッとしている椎名さんです。

今回は9月に我が家にやってきてまだ紹介できていなかったハゼ科の魚をご紹介。ゴビオネルス亜科・チチブ属のシモフリシマハゼ。福岡県の筑後平野産。

アカオビシマハゼ。福岡県福津市産。臀鰭に赤い線が入る

三重県産アカオビシマハゼの臀鰭

チチブ属のうち、長いこと「シマハゼ」とされていたものが実は2種含まれていたのはこのぶろぐの読者ならご存知かもしれない。そのうちの一種がシモフリシマハゼであり、1989年に標準和名がついた。もう一方のアカオビシマハゼも、同じ文献の中で標準和名がつけられたものである。ややこしくなるので、どちらの種も「シマハゼ」の名前がつかないことになった。この2種はよく似ているものの、アカオビシマハゼは臀鰭に赤色の縦帯があり、頭部側部にかけて白色斑があるのに対し、シモフリシマハゼは臀鰭に赤色縦帯がなく、白色斑が頭部側部から腹面にかけて密集しているのが特徴であり、これがシモフリシマハゼという標準和名の由来となっている。

福岡県産シモフリシマハゼ

アカオビシマハゼは汽水域から海域を中心にした分布であり、周辺に河川がない岩礁域にも多く生息するが、シモフリシマハゼは主に河川の汽水域にすみ、やや塩分の低いところを好む。。河川の汽水域などでカキ殻を割ったりするとどちらかが出てくるようであるが、このシモフリシマハゼはほぼ淡水に近いところで採集したものであり、同じ場所にはオイカワやイトモロコ、シマドジョウ類が見られた。椎名さんはこれまで海域、または淡水域で採集をしてきたため、獲れるシマハゼ類も(少なくても写真による同定では)アカオビシマハゼばかりであったが、今回ようやくシモフリシマハゼをお迎えすることができた。ただし残念ながらこの個体を採集したのは私ではなく、採集にお付き合いしていただいたHN「プラナリア」さんである。ありがとうございました。

黒い砂とシモフリシマハゼ

さて、大事に持って帰って来たシモフリシマハゼ。餌付きはよいかわるいか、最初は隔離ケースの中にいて餌をなかなか受け付けなかったが、アルカリ性を高める砂「グレイコースト」を敷いた水槽に入れたところ、もう餌をバク食いである。塩分はほとんど入れていないが、わずかにライブシーソルトを溶かした水を足している(ほかの淡水魚水槽でも、ライブシーソルトを使用して飼育している)。隠れ家として塩ビパイプを入れている。ハゼの仲間、特にチチブ属などはそういうのの中に潜んでいることが多く、生息環境を再現している。ちなみにチチブ属の魚は飼育したことがある方ならお分かりであろうが、性格がきつくほかの魚との混泳は難しい。いちおう注意してほしい。日本における分布域は北海道~九州(タイプ産地は日本の海)、海外では中国、朝鮮、ソ連極東部にすむ。

なお筆者はほかにチチブとアカオビシマハゼを飼育したことがある。ヌマチチブは霞ヶ浦水系では普通種だが、飼育経験はない。ほか日本にはナガノゴリ、シロチチブ、ショウキハゼというのがいるが、これらはお目にかかったことさえない。ショウキハゼ、いつか採集するぞ。

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