あけましておめでとうございます。
ことしは「うさぎ」の年ということで、ウサギにまつわる名前の魚を少しばかり。
干支の魚
1.ウサギニベPareques acuminatus (Bloch and Schneider)
ウサギニベの名の由来は、きっと頭のすぐ後ろにある第1背鰭をウサギの耳に見立てたのでしょう。英語名のハイハットも、これが由来でしょう。ただし、背鰭棘は成長につれ短くなり、成魚は体高が高く、縞模様があるニベとなります。幼魚は観賞魚です。この種は大西洋産で、日本にはいません。
2.ウサギアイナメHexagrammos lagocephalus (Pallas)
ウサギと聞いてまっすぐ思い付くのがこの種です。アイナメ属の中では日本最大になるといわれています。ちなみに味はアイナメと同じくらい。鍋や吸い物は美味です。日本産の魚で「ウサギ」にちなむ和名をもつのは、わずかに3種のようで、これはそのうちの一種。
もう2種はホカケトラギス科のウサギトラギスOsopsaron formosensis Kao and Shen、ゲンゲ科のウサゲンゲBilabria ornata (Soldatov)で、なかなか見る機会のない魚ばかりです。特に後者は日本海北部とオホーツク海に限定分布の、深海性種です。
ウサギアイナメは和名のみならず、学名の種小名も「ウサギ頭」。ちなみに他の2種はそれぞれ「台湾の」「飾り立てた・・・」という意味のようです。
3.クロサバフグLagocephalus gloveri Abe and Tabeta
サバフグ属の魚です。属の学名は、ウサギアイナメと同じく「ウサギ頭」を意味しています。中国でも兔頭魨と書きます(魚へんに「鈍」のつくりの側。中国ではフグを漢字にした場合、こう書きます)。和名はきっとサバににた体型と、尾鰭にちなむのでしょう。しかしこの種は尾鰭が二重湾入ですけど・・・
ちなみにこのサバフグの仲間のシロサバフグは無毒といわれていましたが、海外では有毒のものもいるそうです。フグは怖いものです。
4.アイゴSiganus fuscescens (Houttuyn)
アイゴの仲間は英名でRabbitfishといいます。口の形状がウサギに似ているからでしょう。ほか、Spinefootと呼ばれる種もいます。またヒフキアイゴに代表されるLo亜属は長い吻をもち、Foxfaceなる名でもよばれますが、Foxはキツネ、キツネはイヌ科ですので、戌年でも使えるかもしれません。
5.ダイミョウサギGerres japonicus Bleeker
・・・(笑)。ネタ不足です。語尾にウサギの名を冠しますが、もちろんウサギとは関係ありません。そして、私が撮影した写真もありません(大爆笑)。
また本年もよろしくお願いします。
これはトラフグTakifugu rubripes (Temminck and Schlegel)です。高級ふぐ料理の原料ですが、養殖物もあり、庶民にも出回るようになりそうです。何といっても来年の干支。他にはトラウツボ、トラギス、トラザメ、イタチザメ(英語でTiger shark)などがあります。
このような感じで来年の年賀状やそのほかもろもろを作っています。今日は頂き物のアオリイカのバター炒めを食べましたが、結構美味でした。
今日(というか昨日)は本当に大雨+異常なまでの湿気による蒸し暑さですごしにくい1日でした。
憂鬱なので描いてみた絵(というかイラスト)を張り。
スズキ目アジ科のマアジTrachurus japonicus です。食卓に並ぶアジの中では最もポピュラーなものといえるでしょう。日本各地~東シナ海に生息するものです。
マアジは日本産は1属1種ですが、世界にはミナミマアジ、ニシマアジ、ニュージーランドマアジ、チリマアジ、タイセイヨウマアジなどよく似たものがいて同定が厄介です。世界中では約15種が知られ、以上にあげた5種の海外産種は日本にも輸入された実績があります。
マアジは宇和海でもおなじみの食用魚で、刺身をはじめ、塩焼き、唐揚げにして食べたり、養魚用の飼料にもなったり、アオリイカ(モイカ)釣りのえさにも使われます。
とりあえず今は外に出られそうもないので、このような絵が続くかもしれません。