今年最後の魚紹介記事。スズキ目・クサウオ科・アバチャン属のアバチャン。
アバチャンは過去2回このぶろぐでご紹介してきたが、このほかにも意外と多数の個体を見ている。今回は北海道羅臼の近海で採集された個体。
東北地方太平洋沖のアバチャン
アバチャンは体側の斑紋により2つの群があるとされている。従来は日本海南部に生息するタイプと、太平洋北部、日本海北部、北海道沿岸に生息するタイプのふたつの群だが、これまで紹介したのは日本海南部に生息するタイプであった。しかし今回はようやく太平洋北部、日本海北部、北海道沿岸に生息するタイプを入手でき、紹介できることになった。
京都府(日本海南部)のアバチャン
日本海産のアバチャンは「黄色斑紋型」などと呼ばれ、黄色っぽい斑紋が特徴である。一方太平洋北部、日本海北部、北海道沿岸に生息するタイプは赤色斑紋型とも呼ばれ、赤い斑紋が目立っている。
上から北海道羅臼の個体、三陸沖(東北地方太平洋沖)の個体、京都府沖の個体。
これは北海道羅臼の個体であるが、吻部の斑紋がよくめだっている。日本産のほかのビクニンの仲間とは吻や上・下唇にたくさんの髭があることで見分けられる、というのだが、今回はそれはうまく撮影できなかった。
以前このぶろぐでご紹介したメガネカスベと一緒に唐揚げにして食べた。真ん中の長いのがアバチャンである。味はあまりないものの、決してまずくはなかった。坂口太一さん、ありがとうございました。今年の総括はまた後で。