魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

宇和島採集倶楽部(仮)結成!

2007年09月24日 21時28分07秒 | 魚介類採集(海水)

・・・というわけで勝手に倶楽部を作られてしまっています(笑)

というわけで9/22日に出かけた高知県の某磯。私、Iさん、Aさん、Kさんの3人がご一緒です。

網干し場にはこんなかわいいたぬきが・・・。

煮て、焼いて、食えます(笑  捕まえてはいません


 

というわけでたぬきのほかにも色々採集できました。まずは私の成果から。

フウライチョウチョウウオです。秋の磯といえばチョウチョウウオ、ですよね。

オオスジヒメジです。先代のヨメヒメジをブダイに食われるという悲惨な出来事がありましたが、もうブダイは別水槽に移したから大丈夫です。今日は本種、コバンヒメジ、オジサンの幼魚を見かけましたが、ヨメヒメジの幼魚が一匹も見つかりませんでした。

ミナミハコフグです。黄色が綺麗ですね。この魚は近くで採集をしていた方にプレゼントしました。喜んでいただけて嬉しいです。

ヒレグロコショウダイです。私は初めてお目にかかりました。他にはカミソリウオを2匹、シマハギ、カミナリベラ、ミツボシキュウセン、オヤビッチャ、コバンヒメジ、マルコバン、トラウツボでした。

Iさんの採集したヘラヤガラです。全長は50cmもありましたが、網で採集したそうです。味はよかったらしい。Iさんはこの日他にも2㎏もあるワモンダコやウミウシ類、クマノミも採集されていました。

Aさんはこのベラを採集されていました。ケサガケベラ、綺麗です。でもこの魚は酸欠・高温に耐えられませんでした。他にはキリンミノ、イシヨウジ、クモハゼ、そして極小のコウワンテグリを採集されていました。うらやますいい。

Kさんは大きなイトヒキアジを採集していました。

とりあえず、みんなにとって大変心に残る採集となりました。私の場合はくらげにさされまくったことも記憶にのこりました(笑)カツオノエボシではなくて、幸運でした?

 

※海況
天気は午前中は曇り、一時雨。午後は晴れ。風はなく、海は穏やかでした。

魚は種類が余り多くありません。サザナミヤッコ、アブラヤッコ、チョウチョウウオ、ミスジチョウチョウウオ、チョウハン、トゲチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、ソラスズメダイ、オヤビッチャ、ロクセンスズメダイ、シマスズメダイ、イソスズメダイ、シマハギ、クロハギ、ナガニザ、モンツキハギ、ニジハギ、イシヨウジ、カミソリウオ、コバンアジ、マルコバン、オグロトラギス、コウライトラギス、オジサン、コバンヒメジ、ホウライヒメジ、ヨメヒメジ、オオスジヒメジ、クロサギ、ツノダシ、サツマカサゴ、キリンミノ、オトメベラ、ミツボシキュウセン、セイテンベラ、スジベラ、ヤマブキベラ、クツワハゼ、ウバウオ、アンコウウバウオ、ヒメフエダイ、ゴンズイなどに遭遇。

コメント (3)
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今日の魚 2007年9月21日

2007年09月21日 19時45分18秒 | 今日の魚(不定期更新)

今日の魚 2007年9月21日

カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus  (Temminck and Schlegel)

今回紹介するのは、コイ科の淡水魚、カワヒガイです。この写真の個体は雄で、婚姻色が現れています。タナゴ類やヒガイ類、ダニオ亜科の魚の雄は、繁殖期に美しい婚姻色を出現させ、華やかです。

 

●分布

濃尾平野から西の本州(山口県を除く)と九州北部、長崎県壱岐に分布します。Sarcocheilichthys variegatus という種類にはい3つの亜種が知られ、内日本には2亜種が知られています(後述)。

●分類

前にも述べたようにSarcocheilichthys variegatus という種類には3つの亜種が知られます。

Sarcocheilichthys variegatus variegatus  (Temminck and Schlegel) カワヒガイ

Sarcocheilichthys variegatus microoculus  Mori ビワヒガイ

Sarcocheilichthys variegatus wakiyae Mori ミナミヒガイ
このうち、カワヒガイが基亜種になります。本種はこの3亜種の中でもっとも早く見つかりました。亜種という概念はやや難しいので、ここでは飛ばします。

ヒガイの仲間は全てコイ目ヒガイ亜科に含まれます。ヒガイ亜科に含まれるものには他にもムギツク、モツゴ、ヤガタムギツクなどがいます。

●生態

ヒガイの仲間は二枚貝に卵を産むという変わった習性があります。産卵期は初夏ごろで、このころには派手な婚姻色の雄が採集されます。本種は主に河川中流域に生息し、同じヒガイ亜科ではムギツクと共存することが多いです。モツゴはやや流れが緩やかな場所に多いでしょうか。

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今日の魚 2007年9月14日

2007年09月14日 22時52分23秒 | 今日の魚(不定期更新)

今日の魚 2007年9月14日

キンセンイシモチ Apogon properuptus   (Whitley)

キンセンイシモチはこのブログでも何度か紹介しましたが、「今日の魚」で紹介するのは初めてです。黄色の地色と白色線のある、綺麗な魚です。

●分布
日本では千葉県以南に見られますが多くなるのはもう少し南です。テンジクダイ科魚種は熱帯性のものが多く、本種もそうだと思われます。四国沿岸では浅瀬で見られます。

●名前の由来
かつてイシモチと呼ばていたのは、現在「ニベ」と呼ばれる魚の類です。そのうちの現在の標準和名シログチと呼ばれる魚は「イシモチ」と呼ばれていました。
由来は、本種の頭部には大きな耳石があるためです。この耳石は硬骨魚の全てにありますが、魚によって大きさ、形は様々です。そして、テンジクダイの仲間も5,6cmという小さな体長の割には大きな耳石を持っているのです。

属名のApogon(アポゴン)というのは、テンジクダイ属の属名です。ギリシャ語でa~というのは、「~ない」、pogonというものは「ヒゲ」という意味です。

欧州の人々は、この仲間をヒメジの類に近縁だと考え、下あごにひげを持たない本属魚種に「ひげがない」とつけたようです。確かに、背鰭が二基であることなど、ヒメジに一見してよく似ています。実際にオオスジイシモチやスジイシモチは、ヒメジ類といることもあるようです。

●習性

テンジクダイ科の魚は口の中で卵を育てるマウスブリーダーです。この様な行為は他にもアゴアマダイ科の魚やカワスズメ科の魚の一部に見られ、原始的な硬骨魚であるアロワナもこのような習性を持ちます。本種も口の中で子供を育てます。卵は最初橙色ですが、3~4日後には銀色になり、おおよそ一週間で卵は孵化します。しかし、稚魚に大量の餌を与えなければならず、さらに親が卵を食べてしまうこともあるようで、繁殖はなかなか難しいです。

●利用

テンジクダイ科魚種は一部の種を除き、食用になりません。全長20cm以上になるリュウキュウヤライイシモチなどは食べられますが。本種やマンジュウイシモチ、ネオンテンジクダイなど、テンジクダイでも色彩が美しいものは観賞魚になります。

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やっぱり・・・

2007年09月11日 20時44分37秒 | 魚介類飼育(海水)

これは8月29日に採集して来たホシテンスの若魚です。体は茶褐色で、コレは枯葉に擬態しているんだそうです。そういえば、去年も9月に同じくらいの大きさのものを採集したような気がします。

これがその個体です。体長は7cmちょい。全身が茶色ではなく、一様に真っ黒なのです。

採集したときから黒くてほかの個体より目立っていました。これはいったい何か。

これはクロテンスだと思います。この魚はインド・太平洋に分布しているのですが、本邦では四国からのみ記録されている稀種です。模様も色彩も、ホシテンスとはやっぱり違います。体側に顕著な模様がなく、「日本産魚類検索」の検索図(1011頁)でもホシテンスではなく、クロテンスに行きました。

もしこれがクロテンスだとすれば、幼魚は大変珍しいそうです。研究者の皆様、あってるかどうか見ていただければ幸いです。

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今日の魚 2007 9 11

2007年09月11日 00時29分23秒 | 今日の魚(不定期更新)

 今日の魚、というタイトルですが、「今月の魚」に改名したほうがよいのではないか、と自分でも時々思ったりします。でも他の人のコラムはすごすぎます。

でも、やっぱりオリジナリティで勝負するのが、良かったりします?僕の場合は基本的に採集魚で行きます。

では、さっそく、いきます。2007年9月11日、ヨメヒメジです。

Upeneus tragula   Richardson

このヨメヒメジを初め、僕はヒメジの仲間が大好きなんです!オジサン、オオスジヒメジ、オキナヒメジ、コバンヒメジ、インドヒメジなど種類が豊富で、色も派手ではないが美しい色彩ですし。このヨメヒメジも決して派手な色彩ではないのですが、よく見ると趣があります。

写真の個体はちっちゃくて全長3cmくらいという代物。

成魚は全長20cm、大きいものでは25cmくらいになったりします。本種はオジサンやコバンヒメジなどが含まれるウミヒゴイ属Parupeneusではなく、ヒメジ属Upeneusに属します。ヒメジ科はMullidaeといいますが、これは日本にはいないMullus属、和名はメダマヒメジ属にちなんだものです。メダマヒメジ属は全て大西洋・地中海沿岸に生息し、4種が知られ、亜種が2亜種知られます。

さて、ウミヒゴイ属の魚は太平洋、インド洋、紅海沿岸に分布し、大西洋には分布しません。しかし、Parupeneus forsskali はスエズ運河経由で地中海でも確認されています。

ヒメジ属はインド・太平洋、そして大西洋の熱帯~温帯域にかけて分布します。種類はおおよそ23種類。そしてそのうち日本には本種を含め8種類が見られます。

本種は英名で「Freckled goatfish」と呼ばれます。Yahoo!の翻訳機能で調べてみますとFreckledというのは「そばかすの有る」という意味だそうです。goatfishというのはヒメジのことです。

本種はけっこう伊豆などでも成魚が見られるので、温帯の魚と思われますが、意外にも分布はインド・西部太平洋の広域に及びます。インド洋ではアフリカ東岸まで見られるといいますから、驚きです。

●生活

砂底・泥底・礫底で見られ、磯に多いオキナヒメジなどとは対照的です。群れは作りませんが、他の魚、ホンベラやミツボシキュウセンなどと泳いでいることもあります。幼魚は8月の半ばから9月にかけて出現します。

●飼育する

けっこう温和な魚のようで、大きめの魚と一緒に飼うのはあまり良くありません。細身なので他の魚に食われないように注意が必要です。ブダイに食われてしまったことさえあります。フエダイ、ハタなどはもってのほかです。

●食味

刺身にしても良いのですが、独特の食感があります。初心者にはから揚げや焼き魚などが無難かも知れません。沖縄や四国では、ヒメジの仲間が良く市場に水揚げされます。ウミヒゴイは大型で、タイの代用に使われることもあるそうです。しかし本種は市場で見たことはありません。

 

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