5月28日である。ちょうどこのぶろぐが華々しくデビューを飾って(華々しくはないのだが)、18周年ということになる。つまりひとが、オギャーと産まれてから、成人するまでと同じ時間、椎名さんはこのぶろぐを書いてきたことになる。これまでに様々な魚がこのぶろぐに掲載されてきた。その中でも各年ごとに印象深い魚がいるものである。
このぶろぐを書きはじめた2006年はコスジイシモチと、キンセンイシモチが強く思い出に残ったといえる。前者は夕暮れの防波堤で、後者は昼間の磯で出会うことができたテンジクダイの仲間であるが、福岡ではほとんど見られないテンジクダイ科魚類が四国の沿岸では普通に見られるのが驚きであった。近場で竿を出せば、メジナの猛攻とおもいきやメジナはそれほど多くはおらず、夕暮れ時はネンブツダイやらクロホシイシモチが多く餌をとり、コスジイシモチまで見られるとは、すごいところだなと思ったものである。一方高知まで足を延ばせば黄色い線が美しいキンセンイシモチやら、コスジイシモチよりも縦帯の少ないオオスジイシモチやらが見られ、テンジクダイ類のパラダイスみたいなものだとも思ったものだ。
今では種類もかわり、四国南西部の浅場ではネンブツダイどころかクロホシイシモチさえも少なくなり、代わりにより南方性のカスリイシモチやら、バンダイシモチやらが見られるようになったが、まさかナミダテンジクダイ属の魚が四国で釣れるようになるなんて思わなかったものである。さらに2006年に採集したオグロテンジクダイに至っては、それ以降一度も見ていないし、スダレヤライイシモチも2021年を最後に見ていない。ここ何年かで、魚の種類が少しづつ以前と変わっているような気がする。